ひどい捻挫から股関節(鼠径部)の痛み、さらに腰痛に移行した症例
足首の捻挫を十分ケアしないでいると、数ヵ月経つうちに痛みが股関節や腰に移動し、しかも痛みが激痛に変わることがあります。捻挫を軽く見て放っておいてはいけません。特にもう若くない方にはとても大切なことです。早く手当てをすれば早くよくなります。

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捻挫をしたら早めに診させてください。
階段やちょっとした段差を踏み違えると、足首を捻挫することがあります。
捻挫とは、関節に許容範囲を超える無理な力が加わり、骨と骨をつなぐ靱帯や関節包(関節をすっぽり包んでいる膜)などの軟部組織が損傷した状態を指します。
レントゲンで骨折や脱臼が認められない関節のけがで、足首が腫れて痛みます。
骨折していないから湿布を貼って放っておけばよいだろうと思われがちですが、早く処置をすることが大切です。早く処置をすれば早く治ります。
捻挫を放っておかない
ところが、捻挫を軽く見て痛みを放っておくと、痛む場所が「上行性運動連鎖」といって、膝・股関節・腰へと徐々に上に広がります。
こうなると痛みもひどくなり、なかなか治りません。
今回はそんなお話を紹介します。
足を着くと激痛が下から突き上げてくる患者さん
64歳の男性が来院しました。当院のことはネットで検索して発見してくれたようです。
足をつくと激痛が下から突き上げてくるのだそうです。「歩くのが辛い」と足を引きずりながら施術室にそろり、そろりと入ってきました。
問診時、痛む部位を聞いてみると左足の付け根、鼠径部のあたりです。発症の経緯をうかがうと、捻挫をしてからなのだそうです。
まず、ベッドにうつぶせに寝てもらい触診すると、腰部・臀部・ハムストリングス・下腿(ふくらはぎ)と筋肉が硬くなっています。
マッサージで筋肉をゆるめても痛みがよくならない
腰部から下肢にかけてマッサージで硬くなった筋肉をゆるめます。腰部のマッサージ後、硬かったふくらはぎの筋肉が、5割方柔らかくなっていました。
その後、2~3日間隔で治療に通ってもらい、3回ほど腰回りから下肢にかけて施術をしました。手に伝わってくる筋肉の感触は十分柔らかくなっていますが、歩行時の痛みは変わりません。
何かが違う、おかしい?
筋肉が緩んでも痛みは変わらない。痛みの原因が股関節自体にあるのではないかと思い、整形外科で一度MRI検査をしてもらうことも考えてほしいと伝えました。
その上でもう一度、今回の痛みになった経緯を聞きなおしました。
ひどい痛みの原因は8ヵ月前の捻挫
患者さんの痛みの原因は2025年7月の足首の捻挫にさかのぼります。当院に来られる8ヵ月前の捻挫が原因でした。この間、足首の捻挫の痛みが徐々に上に移動し、さらに痛みが激痛に変わって行きます。これを読むと、捻挫を軽く見てはいけないことがおわかりになると思います。ご本人もよくなるように1日12000歩、歩くなど努力されているのです。
メモがあるので順番に書いて行きましょう。
足首捻挫の経過
2025年7月27日
階段を踏み外しトットットと7段くらい落下。足首を捻挫してしまいました。周囲にいた人たちに助けられ、何とか起き上がりその日はタクシーで職場に。痛みは感じず、2~3時間くらい正座した後のようなシビレが続いていたそうです。自宅に戻って身体のチェックをすると、肩に内出血があり、ここも打ち付けたと気づいたそうです。痺れ感が取れた後に強い痛みが出てきました。翌日、整形外科を受診。レントゲン検査では骨折はしていなかったので重度の捻挫と診断を受け、取り外しのできるギプスで固定。1週間に1回通院しました。
9月中旬
医師から「もう外してよいでしょう」とギプスが取れました。2週間に1回リハビリに通います。その間、ギプスを付けて歩くと固定されて足首が楽なので、装着したり外したりを繰り返します。
10月
足首の痛みはあるものの、早く回復させるには歩いた方がよいと考え、犬の散歩、通勤往復時一駅手前で降りて歩くなど1日12000歩近く歩き、日常の生活に戻していきました。
12月
足首の痛みが膝から腰へ痛みが波及していきました。(これを上行性運動連鎖と言います)
1月
痛みを我慢しているうちに、中旬頃に激痛に変わり、そろそろしか歩けなくなりました。歩行が困難になりましたが電車通勤時席を譲ってもらえないなど、世の中の非情さを感じたそうです。勤め先に許可をもらい車通勤に切り替えました。
2月
時間は過ぎていきますが、回復の兆しはあるどころか痛みは増します。
3月
痛みがいよいよひどくなり、自宅から近い当院をネット検索して来院してくれました。
下半身のストレッチが有効だった
マッサージで筋肉をゆるめましたが、痛みは変わりません。改めてどのようなときが一番痛いか聞きますと、「起床時、動き始めが一番痛い、出勤の準備をしているうちに痛みは和らぐ。動かなければ痛くない」。そして日常の動作で起こる痛みの話。これらの症状から痛みは筋肉の固さにあると確信しました。
痛みの原因が筋肉にある場合と骨や関節にある場合では、痛みの現れ方が違います。
痛みの原因が筋肉にある場合、動かし始めは痛いのですが動いているうちに痛みが和らぐのが特徴です。
また、痛みの原因が骨・関節にある場合、動かし始めから終始痛みが変わらないのが特徴です。
今までマッサージでは効果がありませんでしたのでマッサージをしてもだめだと思い、施術時間内をすべて下半身のストレッチに切り替えました。ストレッチはふくらはぎから始め、太ももの裏側、お尻と伸ばしていきます。施術終了後、歩行時の痛みが劇的に減少しました。

翌日、ご本人から「ストレッチの効果大でした。腰からお尻にかけての痛みはかなりなくなりました」とうれしい報告を受けました。その後の治療の経過もメモを残してあったので書いておきましょう。
治療の経過
4月6日
やはり痛みは筋肉にあったと確信し施術をしましたが、ストレッチが過度になり、今までと違う部位の痛みが酷く出てしまいました。
4月11日
「痛みは足を上げる時、座る時にかなりある。歩くときに左足を持ち上げて前に出そうとすると痛みが強い」
前回のストレッチで骨盤をゆがませてしまったみたいで、右の腰骨の後ろ(腸骨稜)に痛みあります。治療はマッサージ後に骨盤調整をしました。治療後、すぐに痛みは消失しリカバリできました。
4月18日
全身マッサージ・骨盤調整。(横断歩道などで?)軽く走ると痛みはある。マッサージ後骨盤調整。走れるくらいに痛みは消えています。
24日
全身マッサージ、骨盤調整はなし。歩行時の痛みは消えました。夕方になると多少痛みは出るが翌朝は回復しています。
捻挫して痛みが長引きそうならご相談を
この患者さんのひどい痛みの根本的な原因は、捻挫したあと、ギブスが取れてもつけていた方が楽なのでしばらくつけていたこと。それで足首が固定され可動域が制限されたことによって、歩行時の衝撃吸収能力が低下してしまいました。
そのため、膝・股関節・腰への負担が増大して深層筋まで慢性的なコリが生じていました。(筋肉の拘縮および脚の筋力の低下)
そして年齢も無視できません。若い頃なら勢いで治ってしまうかもしれませんが、64歳は若くない。ていねいにケアする必要があります。
足首の捻挫といえども身体はすべてつながっています。全身に歪みが波及する前に治療を始めることで、日常生活への支障を最小限にし、早期回復が可能になります。歩きにくいのを放置することで腰にまで痛みが上がってきます。治療は早ければ早いほど効果的です。痛みの悪循環を断つことが大事です。お心当たりのある方はご相談ください。
捻挫で痛みがある方は、治療院よしぐちまでご相談ください。自由が丘駅南口から徒歩3分、奥沢駅から徒歩5分の整体治療院です。ご連絡お待ちしています。


