肋骨骨折は背骨の周りのマッサージで楽に
最近、スタッフが肋骨を骨折しました。来院される患者さんにも肋骨骨折は少なくありません。肋骨骨折が疑われる時は、まず、整形外科を受診してください。バストバンドを巻くと楽になります。当院では、患者さんがうつぶせの姿勢ができるようになったらマッサージを始めます。筋肉の緊張を取ると痛みが軽減します。肋骨は些細なことで折れやすいです。お年寄りは転倒に気をつけて下さい。肋骨骨折は全治まで2ヵ月くらい必要です。
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スタッフが肋骨を骨折しました
つい最近、当院スタッフが肋骨を骨折するけがをしました。
入浴後、天井に着いた湯気をバスタブの縁に乗って拭き取っていたときに足を滑らせたのです。身体を捻りながら肋骨部をバスタブの縁にしたたかに打ち付け、上半身はバスタブの中に落ちてしまいました。本人は「裸で風呂の後始末はするものではない、救急車を呼ぶことになっていたら冷や汗ものだった」と笑って言っていましたが。
スタッフが不動産屋に勤めている親友にその話をしたら「バスタブは、構造上お湯をためるために横からの水圧には強いが、上からの圧には大変弱い。バスタブの上には乗るものではない」と注意されたそうです。半分笑い話で済む程度のけがだったので良かったのですが。皆さんも、同じようなことはしないように気をつけて下さい。
息をしたり身体を傾けると痛い
肋骨の骨折の痛みは、安静にしていればあまり痛みません。しかし、息を吸って肺が膨らむと胸郭も広がります。このとき、痛みは強くなります。
また、就寝時にベッドに横になろうとする時、身体を斜めに傾けた途中までは良いのですが、そこから先が寝ることも、身体を起こすことも痛みでできなくなります。
身体を斜めにしたとき腹筋に一番力がかかり、それに付随して肋骨回りの筋肉に負担がかかるのです。私も経験があるのですが、他人の手を借りても筋肉に力がかかることには変わりがないからです。このときの心境は「もう、ほっといてくれ。自分でなんとかする」と思うのです。無理に起こされるものでしたら、痛さで悲鳴が上がります。
肋骨の骨折やヒビを経験した方はおわかりになると思いますが、下記のようなことが困難になります。
- 鼻をかめなくなる
- 咳、くしゃみをするのが怖い
- 肋骨に響いて笑う事も出来なくなる
- 寝起きが困難
肋骨を痛めたらまず整形外科を受診してください
肋骨を痛めた相談を受けた場合、当院ではまず整形外科での受診をお勧めしています。痛めた経緯を問診時に聞いているので、皆さんはっきりと原因がわかっているのですが、念のためレントゲン診断をしていただきます。骨折しているなら程度を知るためです。
これは患者さんに安心していただくためと整形外科で胸帯(バストバンド)を作ってもらうために必要だからです。呼吸をするたびに肋骨が動いて痛いので、胸郭が広がるのを胸帯で抑えると楽になります。
肋骨を骨折した場合仕事を休んで安静にした方がいい?
骨折すると動かしてはいけないと思う方がいらっしゃいます。肋骨を骨折した後、歩行中肋骨に響いて痛みはでますが、よほど身体を強く動かす仕事以外支障になることは少ないです。事実、私も肋骨骨折の時には普通にマッサージの仕事が出来ていました。後述するバストバンドは着ける必要がありますが、ほぼ、日常生活を普段通り送ることができます。
リハビリは必要ですか?
「リハビリは必要ですか?」と聞かれたこともあります。骨折にリハビリはつきものですが、肋骨骨折の場合、特別なリハビリは必要なく,日常生活自体がリハビリになるでしょう。治っていくのには時間の経過を待つしかありません。ただし、バストバンドは使って下さい。
バストバンド
骨折すると、手・足などギプスで固定しますね。肋骨も同じです。バストバンドを巻きます。
肋骨の場合、呼吸の度に胸郭が大きく広がるために痛みが出ます。そのために胸郭が広がるのをバストバンドで抑えるので痛みが楽になります。
痛みが楽になったら外す長く使わない
バストバンドを外す目安は、呼吸した時に痛みが楽になるか消失した時です。でも、患者さんの不安な気持ちががなくなったときが外し時かもしれません。
ただし、痛みが取れても長く着用するのはお勧めできません。柔らかいバストバンドとはいえ、長く着用すると身体を支える筋肉が怠けて弱くなってしまうからです。
購入は保険適用される
バストバンドや腰痛コルセットなどは当院でも購入できますが、整形外科で診察の時にお願いすると保険適用されるようです。
下の写真は、当院で一時的に皆様にお貸しするために用意してあるものです。
上から肋骨用のバストバンド。下の2つはギックリ腰の時のコルセットです。これだけ大きさと形、硬さに違いがあります。バストバンドはやわらかいのが特徴です。
背骨の周りのマッサージをすると大変楽になります
骨折やひびは、残念ながら日にち薬で自然に治るのを待つしかありません。しかし、背骨の周りをマッサージで緩めますと大変楽になります。
肋骨骨折の患者さんがうつぶせになれるようになったらマッサージを始めます
当院では、肋骨骨折の患者さんがマッサージベッドにうつぶせになれるようになったらマッサージを始めて、背骨周囲の筋肉を緩めていきます。
なぜ楽になるのか。肋骨は背骨についています。肋骨を痛めると肋骨が出ている背骨の周りの筋肉が硬くなり、筋肉の硬さが骨に伝わり痛みを強くします。マッサージをすることで筋肉の緊張を取ると、痛みが軽減するのです。
これは体験してみないとわかっていただけないことです。肋骨を骨折して痛みでお悩みの方はどうか当院までご相談下さい。
痛みが取れるまでの期間をいかに楽に過ごしていただくかを考えて、施術をしています。
胸郭の構成と肋骨の位置
肋骨について少し説明しましょう。皆さんが胸と呼んでいる場所は解剖学的には胸郭と言います。
下の写真を見ていただくとわかります。
胸郭は胸骨、肋骨・肋軟骨(肋骨、肋軟骨をあばら骨と呼んでいます)胸椎(背骨)から左右12対、合計24本の骨で構成されて籠のような形で心臓、肺を守って、呼吸のたびに胸が膨らんだり縮んだりの呼吸運動をしています。
呼吸時、胸郭は肺の拡張を助けるために多くの筋が共同して働いて胸腔を拡大します。このような呼吸運動時、安静時呼吸では主として内肋間筋は呼気に、外肋間筋は吸気に働くとされています。また、呼吸は横隔膜や腹壁の筋が大きな役割を担っています。
*イラスト解剖学より引用
浮遊肋骨が折れやすい
肋骨は背骨から始まり上のほうは胸骨といいまして、ネクタイの形をした骨に付着しています。下のほうは、浮遊肋骨といいまして胸の前にはついていません。肋骨は上のほうよりこの下にあります浮遊肋骨が簡単に折れやすいのです。
- 電車のラッシュ時に肋骨部を隣の人の肘で軽く押された時。
- お風呂掃除でバスタブを洗う時に、バスタブ内の反対側を手を伸ばして洗っている時に胸を圧迫してしまう。
- 風邪を引いて、ひどい咳が長い時間続く。
このように、簡単なことで肋骨はひびが入ったり骨折をしてしまいます。
骨折のイメージですと、手や足のようにポッキリと思われると思いますが、よほど強い力(交通事故などで胸を圧迫される等)がかからないとポッキリと折れることは少ないですね。
当院に来院される方達は軽度の外力による、お風呂掃除や風症状の咳で肋骨を痛める方が多いですね。
お年寄りは転倒すると肋骨を骨折することがある
お年寄りは骨が弱くなっているので、転倒すると骨折しやすいです。転び方によっては肋骨を骨折する心配がありますので気をつけて下さい。また、骨がつくまでに時間がかかります。
肋骨を骨折しても気がつかないことがある?
肋骨は簡単に折れるので、「骨折したことを気がつかないことがありますか?」と聞かれたことがありますが、肋骨を骨折したら、必ずわかります。
肋骨を打ったと言われる患者さんには、大きく胸をふくらませて呼吸をしてもらいます。折れている時は、必ず痛みます。それでわかります。
全治までにかかる時間は約2ヵ月
肋骨骨折は、治るまでだいたい2ヵ月くらい見込んでおくとよいかなと思います。もちろん、個人差はあります。
痛みが完全に消えるまで1か月から2か月くらいかかります
肋骨骨折の痛みが完全に消失するまでに、1か月から2か月くらい時間がかかります。当院では、上で書いたように、肋骨骨折の患者さんがマッサージベッドにうつぶせになれるようになったらマッサージを始めて、背骨周囲の筋肉を緩めていきます。この方が早く痛みから解放されます。
もし、痛みが長引くようなら、それは筋肉が硬くなっているからです。ほぐす必要があります。
私もスキーの滑走中転倒して肋骨を骨折したことがあります
私も肋骨を骨折したことがあります。
かなり古い話になりますが、スキーの滑走中コブ斜面で飛ばされて斜面にうつ伏せに落ち、右腕が身体の下になって肋骨を圧迫して骨折しました。このときは、骨折をしているだろうと思われる場所を軽く押しますと、肋骨がペコペコとしていました。
当然、呼吸するたびに痛みがでて、寝るのも起きるのも痛みで身体が固まってしまい難儀をしました。折れた骨が肺に刺さらなくて良かったなと思っていたことを、この記事を書きながら思い出しました。
治療院よしぐちでは、日頃から転ばない身体作りを考え下肢の筋力をつけていただくように、皆様と一緒に「歩こうかい」と「月イチヨガ」を開催して皆様の健康を一緒に考えています。
肋骨骨折の痛みでお悩みの方は、治療院よしぐちまでご相談ください。連絡をお待ちしています。
自由が丘駅南口徒歩3分 奥沢駅徒歩5分の整体治療院です。