腰痛と同時に腹痛が起きることがある

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腰痛と腹痛が同時に起きることがあります。腹痛は大腰筋が縮んだのが原因です。強い腰痛の患者さんは按腹して大腰筋をゆるめます。大腰筋は背中の筋肉と相反する関係です。片方が伸びたら片方は縮みます。背中の筋肉が伸ばされ腰痛になるので、縮んだ大腰筋をゆるめると腰痛が軽減されます。ただし、腹痛は内科をまず受診して下さい。

腰痛と同時に腹痛が起きることがある

私たちのように筋肉をゆるめる仕事をしている者には常識なのですが、多分、一般の方はご存知ないと思います。腰痛と腹痛が同時に起きることがあるのです。腹痛といっても内蔵の病気ではなく、お腹の中の筋肉が痛みます。お腹の中の深層部にあり、背骨から大腿骨をつなぎ骨盤内を横断する大腰筋が関係しています。

腹痛は内臓疾患の心配もありますので軽く考えてはいけませんが、腰痛と腹痛には密接な関係があり、腰痛と腹痛が同時に起こることもあると言うことを、知っておいてください。

それを、これから説明します。

強い腰痛で来院した患者さんのお腹をもんであげる

ぎっくり腰の強い痛みで来院された方は、ベッドにうつ伏せになることが難しいことがよくあります。その時には、仰向けに寝ていただき、まず、お腹のマッサージ(按腹)をします。

大腰筋をゆるめる

按腹をするのは、お腹の中の緊張している筋肉、大腰筋をゆるめるためです。腰痛で来られた患者さんは、大腰筋が緊張していることを自覚していません。

この大腰筋、腰の痛みが右側でしたら右側が、腰の痛みが左側でしたら左側が張っていることが多く、左右同時に張っている方もいます。

皆さん、腰痛とお腹の中の筋肉が関係していると思いませんので、大腰筋が硬くなっていることを知ってもらうために、お腹を押しますと飛び上がるくらいに痛がります。

写真では3つの筋肉(小腰筋・大腰筋・腸骨筋)が図示されています。これら3つの筋肉は、総称して腸腰筋と呼ばれています。これらは骨や内臓に近い深層部にあり、脊柱と大腿骨、骨盤と大腿骨をつないで、安定した骨盤の動きを作り出しています。

写真でお判りのように、大腰筋は脊柱の腰部からはじまり骨盤を通って大腿骨(足の骨ですが見えていません)まで達する長い筋肉です。大腰筋は、一番わかりやすいのは、両足で立って片足を持ち上げる動作で働き始めます。さらに、骨盤から始まる腸骨筋と合して骨盤の動きに関与します。

下で詳しく書きますが、大腰筋の役割をお腹のマッサージをしながら説明しますと、皆さん痛みがあることを始めて知ることになります。

※参考 有限会社ラウンドフラット「見るみるわかる 骨盤ナビ」より

そういえば腹痛をなんとなく自覚していた

皆さん「まさか、腰痛と腹痛の関係があったなんて思わなかった」と話されます。しかし、中には腰痛との関係が分からないものの、腹痛を自覚していた方もいらっしゃいました。

不安に思うような腰痛

ある程度以上の年齢の方なら、腹痛が続くと内臓の病気が起きているのではないかと不安に思われるでしょう。原因がわからないのですから当然です。

お腹の痛さは下痢でお腹をこわした時のような激しいものではありません。

「なんとなくチクチク痛い」
「お腹の奥の方で痛い」

そして、四六時中痛いわけではないのが特徴です。

この痛み、大腰筋が縮んで痛みを起こしています。では何故、大腰筋が縮んでしまうのでしょうか?

大腰筋をゆるめると腰痛がよくなる

大腰筋が縮んでしまうわかりやすい一つの例は、デスクワークの姿勢です。机に座ってPCに向かって長時間仕事をしていると、やや前かがみの姿勢を長時間取り続けていることになります。この姿勢は背中が丸くなります。

背中が丸くなるのは、何となく安楽な姿勢のように思われるかもしれませんが、実際に椅子に座ってやってみて下さい。背中を丸くして、次に、背中を伸ばして、いわゆる「正しい姿勢」で座ってみる。交互に何度も繰り返すと、背中を丸くした方が腰に負担がかかるのがわかると思います。

背中が丸くなる前かがみの姿勢で大腰筋が縮んでしまう

この時、背中の筋肉はだらりとゆるんでいるのではなく伸ばされています。反対にお腹の中の筋肉には、少し力が入るような感じがわかるのではないかと思います。この時、大腰筋が縮んでいます。

どのような動物でも同じですが、内臓を守るために身体は前側に丸まるような構造になっています。身体を動かすのに使われる筋肉には、必ず伸びる筋肉と縮む筋肉があり、相反して動きや姿勢を支えるような仕組みになっています。

見てわかりやすい腕の筋肉で例えてみましょう。腕を曲げて力こぶを作った時、表側の筋肉(上腕二頭筋)は縮み、裏側の筋肉(上腕三頭筋)は伸びます。このように相反する動きをします。

前かがみの姿勢は昔の主婦の家事の姿勢と同じで、炊事も洗濯も前かがみになっています。この姿勢では腰に負担がかかることはどなたでも実感としておわかりになると思います。

昔、マッサージの専門学校に通っていた頃、講師から「腰痛はお腹を緩めてあげると楽になりますよ」と聞いたことがありました。この時はまだ言っている意味が理解できなかったのですが、大腰筋の緊張をゆるめることだったのだなと仕事をする中で思い出しました。

前かがみの姿勢を取り続けると大腰筋が縮みます。すると、常に背中の筋肉が引っ張られていることになり、そのうち背中の筋肉が疲労を起こして硬くなり腰痛になります。

大腰筋をゆるめることで、引っ張られていた背中の筋肉の緊張が解放されるます。背中の筋肉が硬くなって起きた腰痛は時間の経過で改善されて行きます。

腹痛は内臓と関係していることが多いので、おかしいなと思ったら内科を受診することもお忘れなく

今回、腰痛と腹痛の関係の話を書いてきました。ただ、最後に強調しておきますが継続的な腹痛は無視してはいけません。まず、内科を受診して下さい。

腰痛と腹痛を同時に感じる場合、今回ご紹介したようなこともあります。ご参考にしてください。腰痛についてはたくさん記事を書いています。腰痛にお悩みの方へという記事でご紹介しています。

腰痛になったら同時にお腹も痛いと感じている方は、治療院よしぐちまでどうぞご相談ください。お待ちしています。

自由が丘駅南口徒歩3分 奥沢駅徒歩5分の整体治療院です。

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