股関節が痛いと来院される方のほとんどは鼠径部が痛んでいます

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「股関節が痛い」と来院される患者さんのほとんどは鼠径部が痛んでいます。股の付け根前面あたりを股関節と間違われている方が多く、変形性股関節症では?と不安に思う方がいるので正確な場所を図示しました。鼠径部の痛みは、鼠径ヘルニアの場合もありますが、ほぼ筋肉が硬くなっているのが原因です。筋肉をゆるめればよくなりますよ。

股関節が痛い

股関節が痛いと来院される患者さんがいます

「股関節が痛い」と来院される患者さんがいます。ところが、たいていの場合、股関節でなく鼠径部(そけいぶ)が痛んでいるのです。鼠径部が痛い場合、ほぼ、筋肉が硬くなっていることが原因なので大事には至りません。

身体の部位の正確な場所と名称は、我々医療従事者であるコ・メディカルがしっかりと把握していれば問題なく、来院された時に話をしっかり聞いて痛みの原因を取り除いていければ、来院される患者さんが正確にわかっていなくてもよいと思っていたのですが、今の世の中、情報社会です。

自分で症状を調べて変形性股関節症ではないか?と不安になる方がいる

自分でネットで調べて不安になる人がいらっしゃるのですね。

今は、スマホで簡単にご自身の身体の痛みの場所や原因を調べられる時代です。股関節の痛みで検索をかけますと、発育性股関節形成不全の後遺症や、股関節形成不全などの変形性股関節症が原因なんて出てきます。さらに、股関節の痛みは、大まかに足の付け根付近の痛みと書かれているので間違いやすいのも当然と思います。

変形性股関節症の場合、手術が必要になることがあります。

間違った部位の名前の情報で検索をして「自分もそうなのかもしれない」と不安になるのはよくないことです。股関節の正確な場所をお伝えしなければと思いました。

股関節がどこにあるか場所をよく知ってください

正確な股関節の場所は、下図の右側にあります。左向きの矢印で股関節と書いておきました。気をつけの姿勢で立ったときに、手首の場所にポコッと骨が触れるところがあります。この骨が大腿骨大転子(太ももの骨の一部)と呼ばれる骨ですが、手首に触れた骨よりもう少し奥、この骨が骨盤に着いている場所が股関節になります。

おわかりになるでしょうか。

来院された方の股関節が痛いと言われている場所は、たいてい鼠径部です。身体を前から見た時の、足の付け根前面部分になります。

鼠径部は股の前の部分です

鼠径部は図で見ていただくとおわかりの通り、股の前の部分です。股関節は関節なので骨と骨をつなぐ部分ですが、鼠径部は関節でなく、筋肉が集まる身体の場所を指しています。

鼠径部の痛みとは筋肉の痛みです。

鼠径部の痛みには、お腹の奥の方で背中側にある腸骨筋・大腰筋と、太ももの筋肉の一つである大腿直筋が関係しています。

これらの筋肉は、身体を前に折り曲げる時や膝を抱える姿勢を取る時に働きます。たとえば、横座りをする女性がいらっしゃいますが、長時間横座りをしていると、大腰筋や太ももの筋肉が一定方向に傾き、やがて疲労して筋肉が縮んでしまいます。これら筋肉が神経を圧迫して下肢の痛みやしびれになることもあります。

また、大腿骨大転子には、図には描かれていませんが、お尻の筋肉(中殿筋・小殿筋・梨状筋)が付着していています。これらの筋肉は、足を外に開く(外旋)ときに使われる筋肉です。

運動不足や加齢により、お尻の筋肉が縮んで硬くなると、足の開きも悪くなり、また歩行時に足が後に伸びて筋肉が伸ばされ、鼠径部に痛みを感じる事もあります。

このような方は、来院された時に仰向けに寝て膝を抱える姿勢を取ってもらうと、太ももの筋肉が縮むことで、鼠径部に痛みを感じますまた、この場所を押圧すると筋肉が縮んで硬くなっていますので、皆さん飛び上がるように痛がります。

不安に思ったらまず整形外科を受診する

足の付け根の痛みは、整形外科でレントゲンを撮ってもらえば原因がわかり安心できます。

当院に頼っていただけるのは大変嬉しいことではあるのですが、先に整形外科の受診をしていただき、骨に異常がなければ筋肉の問題になります。そうなれば、当院で安心して治療を受けていただけます。

鼠径部の痛みの治療

鼠径部の痛みは、これらの筋肉が硬くなっていることが原因です。鼠径部に関連する筋肉が硬くなるのは、運動過多で筋疲労を起こしストレッチなどのケア不足、逆に運動不足で筋肉が使われていないか、また仕事で不自然な姿勢を強いられたりと様々な原因が考えられます。

「毎日、買い物で歩いていますよ」と言われる方もいますが、買い物はA地点からB地点への移動であり、普通に歩いているだけでは、残念ながらこれらの筋肉を使う運動になっていません。

また、健康に気を使い毎日ウォーキングを日課にされている方の場合、運動後に太ももの前の大腿四頭筋、後ろの大腿二頭筋、ふくらはぎなどのストレッチ不足で筋肉が硬くなっている場合があります。

全身の筋肉をゆるめる

いつもお話をさせていただくのですが、身体はすべてつながっています。痛みの出た部位は身体の前の鼠径部ですが、身体を診させて頂きますと足、腰、背中、肩、首と全体の筋肉が硬くなっています。

お腹の中の筋肉(大腰筋)を含め全身をマッサージでゆるめ、ストレッチを取り入れていきます。マッサージ施術と併用でストレッチをご希望の方もいますが、どうしても限られた時間内で全身を治療をしますので、まずマッサージで筋肉をゆるめることを優先します。

また当院では治療の一環としてストレッチを取り入れていますが、ストレッチだけを主にご希望の方もいますので、ストレッチだけで一枠使うことも可能です。その時には、予約時にストレッチを希望とお伝えください。

痛みの治療期間は痛みが出てから現在までの時間と同じくらいかかるのが目安

「治るまでにどのくらいの時間が必要でしょうか」と質問されるのですが、痛みが出てから2ヶ月以上放置していたなどでは、痛みが出てから来院される迄の時間(2ヶ月)を一つの目安として見ていただいています。

しかし、自然治癒力を皆さんお持ちですので、自然治癒力を阻害している原因を取り除ければ、意外と早く回復に向かうことも多いです。

鼠径部の痛みに限らず、当院の痛みの治療の目安として1か月から3か月の時間の猶予をいただいています。筋肉がどれだけゆるんでくれるかにもよりますので、ご自宅で出来るストレッチをしてください。コ・メディカルの我々は皆さんのお手伝いをしているだけなのです。治すのは皆さんなのです。

鼠径部の痛みには鼠径ヘルニアもあります

鼠径部の痛みには、鼠径ヘルニアという病気もあります。この場合は病院で診てもらう必要があります。当院で身体を診せていただいた時、筋肉の硬さが原因でない可能性がある場合はすぐにお話をさせていただきますのでご安心ください。

鼠径ヘルニアとはというページに説明が詳しく載っています。

本当に股関節の痛みで来院された方もいます

当院の患者さんには、股関節に問題があり痛みで来院され、最終的に人工股関節置換手術を受けられた方が4名いらっしゃいます。この患者さんたちの話は、別の記事に書きます。

この記事では、股関節が痛いと来院される方のほとんどは、鼠径部の痛みを股関節の痛みだと間違っているということを知っていただきたいと思います。

股の付け根の痛みでお悩みの方、治療院よしぐちまでご相談ください。連絡お待ちしています。

自由が丘駅南口徒歩3分 奥沢駅徒歩5分の整体治療院です。

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