眼精疲労の頭痛は後頭骨窩をゆるめると楽になる
眼精疲労の患者さんが増えています。眼精疲労による頭痛は人によっては吐き気を催すほどひどくなり、寝込む方もいます。熱い(冷たい)タオルを目に当てると一時的に楽になります。治療は当院では後頭骨窩をゆるめます。私も、ブログを書いていて目が疲れたときにスタッフに治療してもらいますが、かなり気持ちがよいです。ご自分でゆるめるためテニスボール2個とストッキングを使った器具の作り方をお教えします。
眼精疲労による頭痛を解消するために
目がひどく疲れる時代。頭痛が起きるような眼精疲労から少しでも楽になるためには、蒸しタオルで目を温めたり、冷えたタオルで目を冷やしてみてください。温めるのも冷やすのも結果的に血行がよくなります。どちらかその時気持ちよく感じられる方を選択してください。
やり方は後で詳しく説明します。
また、マッサージで後頭骨(頭と首をつなぐ境目)のくぼみである後頭骨窩をゆるめるともっと楽になります。
このところ眼精疲労の患者さんが続きます
眼精疲労の患者さんが最近、連続して来られています。
仕事でパソコンの画面を1日見て、仕事が終われば今度はスマホを見るので、目は酷使されるばかりです。きちんと目を休ませてあげればよいのですが、それがなかなかできない。
目が疲労して首が凝るぐらいだったらまだよいのですが、やがて頭痛が起き、ひどいと吐き気の症状も出てきます。
眼精疲労とは
コトバンクの眼精疲労を読むと次のように書かれています。
読書などのように眼を持続的に使うと、眼の疲労感、眼の重圧感だけでなく、全身にも疲労、頭痛、肩こり、吐き気などが起こることがありますが、これを一般的に眼精疲労といいます。
原因については、さまざまなものがあると説明されていますが、やや、言い方が時代がかっているものの、今の時代は間違いなくこれが一番の原因でしょう。
紫外線や赤外線、過度の照明などの光刺激によるものがありますが、近年注目されているのがVDT作業による眼精疲労で、VDT症候群と呼ばれています。
VDTとは、Visual Display Terminalsのことで、パーソナル・コンピュータやコンピュータ・ゲームなどの端末装置であると説明されていました。今ならスマホですね。
眼精疲労の頭痛が始まると痛み止めが効かなくて寝込むほど
眼精疲労の患者さんの中で、まず思い出すのはAさんのことです。
Aさんはアウトドア派の50代の女性の患者さんですが、ほぼ眼精疲労の解消のために2週間に1度通って来られます。仕事が忙しくなってPCと向きあう時間が長くなると、頭痛が始まるのですが、いつも眉毛の奥が痛むそうです。
一度痛くなると、痛み止めを飲んでも効かなくなることを何度も経験しているので「痛くなりそうだと思う前に痛み止めを飲む」と言われます。間に合わないと寝込むことになるそうです。
眼精疲労と聞くと、目が疲れているのだろうくらいにしか思わないのですが、症状はなかなか深刻です。
治療は後頭骨窩をゆるめる
眼精疲労の治療は、後頭骨窩(こうとうこつか)をゆるめます。
後頭骨窩とは聞きなれない言葉と思いますが、後頭部と首の境目を後頭窩(こうとうか)といい、後頭部(頭蓋骨)の下で髪の生え際がその場所になります。
髪の生え際の深層部には、後頭下筋群があります。後頭下筋群は姿勢維持に強く関わり、立ったり座って何かをしている時に重たい頭を支えるために持続的に収縮を続けています。つまり、眼精疲労の影響以前に、もともと凝りやすい筋肉なのです。
髪の生え際には肩こり、眼精疲労などに効く亜門、天柱、風池というツボが左右対称にあります。これらのツボを押圧やマッサージで刺激して、筋肉をゆるめます。
この時、一点圧といって、力で押していくのではなく、腰の力を親指に伝え、力の加減をしながらゆっくりと押し込んでゆっくりと減圧していきます。適度な圧が眼精疲労に効くツボに入っていきます。
「押してもらいたいところを押してもらえた」
これがとても気持ちがよいそうです。
Bさんは、50代女性の患者さんです。週に一度疲労回復のため通って来られます。先日は「年度末で仕事が忙しくなり、眼精疲労で目の奥が痛くなってしまった」と来られました。触診すると首がかなり硬くなっていて、痛みが出ても不思議ではない状態です。
眼精疲労を取り除くために、肩、首をマッサージで筋肉をゆるめてから、後頭骨窩のツボを指圧していきますと、「目が疲れていて押してもらいたいところを押してもらえた」と喜んでもらえました。
「目の奥が引っぱられる感じ」
Cさんは、50代後半男性の患者さんです。かなり昔、私の修業時代から来院していただいている方です。今でも2週間に一度、腰痛予防と健康管理のため来られます。
長く身体を調整させていただいているせいか、Cさんは身体に刺激が入る感度が大変よく、後頭骨のツボに刺激を入れると「目の奥がツンツンと引っぱられる。終わると視界が広がり明るくなる」と言われます。しかし、この感覚も目が疲れている時だけ出現します。
眼精疲労から頭痛にならないために
眼精疲労にならないように、また、症状がひどくなって頭痛にならないようにするには、いつも睡眠時間の大切さをお話ししています。十分に眠ることと夜更かしせずに早く寝ることが必要です。生活習慣を見直していただきたいと思っています。
とはいうものの、お仕事の関係や諸事情でなかなか実行していただけません。
目の周りのマッサージと蒸しタオルや冷たいタオルを目に当てる
仕事の合間に目が疲れたら、目の周りのマッサージや蒸しタオルで目を温める、目を冷やすなど実行してください。
眼精疲労がひどくなると目をぎゅっとつぶると熱く感じることがある時には、冷やしたタオルを目に当てて軽く圧を加えるようにしてください。それ以外では温めるようにすると良いでしょう。どちらも、血流が良くなり、一時的ですが楽になります。
後頭窩を押す
また、セルフマッサージでは両方の手で後頭部を包むように手を置いたときに、親指が当たる髪の毛の生え際(後頭窩)全体を気持ちの良いと感じるくらいの力で押すのが良いでしょう。
指圧棒の刺激は強すぎます
辛くなって来ると、どうしても強い刺激がほしくなり指圧棒のようなもので押圧する方もいますが、硬い棒の強い刺激はあまりおすすめできません。強く押しすぎて、あとで打撲痛のような痛みが残ってしまう可能性があります。
何事も、過ぎたるは及ばざるがごとしです。
テニスボール2個をストッキングで包み床に置いて頭を乗せる
ご自宅では、このようにテニスボール2個をストッキングに入れて包んだものを作り、床置いて頭を乗せ、押したい後頭骨に刺激を入れるのがよいですよ。
作り方はカンタン。どなたでも簡単に作れます。
用意していただくのはテニスボール2個 ストッキング(100円ショップで売っています)
ストッキングにボールをつま先まで入れて、真ん中で捻ります。
さらに、もう一つのボールも動かないようにこのように口を閉じます。この作業を、ストッキングの長さ分繰り返します。
でき上がりの完成形です。こうすると、テニスボールはガッチリ固まるので、頭を乗せてもずれません。
この上に頭を乗せて横になると、自分の頭の重さを利用してテニスボールで調整しながら後頭窩を刺激できます。横になっているので長時間できるのと、刺激がやわらかくて安心です。
もし、ご自分で後頭窩をゆるめてみてよさそうだなと感じたら、うまく刺激出来ています。さらにゆるめるとどんな感じになるかご興味がありましたら、ご来院して私たちの施術を受けてみて下さい。
また、眼精疲労と関係するのは肩こりです。肩こりについてもいくつか記事を書いています。是非読んでみて下さい。
眼精疲労による頭痛でお悩みの方は治療院よしぐちまでご相談ください。連絡お待ちしています。
自由が丘駅南口徒歩3分 奥沢駅徒歩5分の整体治療院です。