顎関節症-口が開かず指2本入らなかったのが2ヵ月で改善された症例
歯科医院からの紹介で顎関節症の患者さんが来院されました。痛くて口が開かず、指を縦にして2本入りません。患者さんの身体は首、肩、背中、腰の筋肉に強い緊張があり、こり固まっていました。最初は短い間隔で治療を受けていただき、徐々に治療の間隔をあけていきました。1ヵ月すると痛みはかなり軽減され、2ヵ月で治療は終了します。
顎関節症の方が来院
紹介で27才の男性が来院されました。お国がフィリピンの方です。二子玉川で開業されている歯科の先生から「日本語がほとんど話せないが、顎関節症の患者さんでいまそちらに向かわせたので診てもらいたい」と連絡がありました。
「困った、英語が話せない。症状を上手く伝えられない・・・」先生からは「困ったら、電話してください。通訳します」とのことでした。まずはこの言葉で一安心。しかし、この日の予約枠は一杯で治療する時間はありません。とりあえず、どのような症状なのか見てみることにして、翌々日に事情を説明して再来院してもらいました。
顎関節症とは
日本顎関節学会によりますと、顎関節症の代表的な症状として
- あごが痛む(顎関節痛・咀嚼筋痛)
- 口が開かない(開口障害)
- あごを動かす(口の開け閉め)と音がする
この3つの症状をいいます。
顎関節痛と開口障害
顎関節症の場合、歯科では奥歯のかみ合わせや関節(骨)に異常がないか検査をして治療にはいります。
口が開かないので検査も出来ず植松先生の見立てで筋肉に原因もあるだろうから、まずは当院で治療をしてからと優先していただきました。
今回、ご紹介していただいた植松厚夫先生は、二子玉川で3D画像など最新の設備を整えた完全個室のウエマツ歯科医院の院長先生です。
植松先生は、当院の「身体の痛みのほとんどの原因は筋肉にある」という治療理念に共感していただいて、顎関節の治療は、顎関節・かみ合わせだけの問題でなく根本を探っていくと筋肉の拘縮(コリ)で身体のバランスが崩れ症状が出る場合もあると考えてくださっています。
先生ご自身も歯科治療中の姿勢改善のケアに定期的に来ていただいています。
植松歯科医院の詳細は下記をご覧ください。
治療は顎周りの筋肉をゆるめる
改めて患者さんの症状を診ると、口が開かない。
頑張って口を限界まで開けてもらうと、強い痛みがあり、指を縦にして2本入りません。痛みの場所は両方の顎関節とこめかみ(側頭骨)です。
首、肩、背中、腰の筋肉に強い緊張がある
身体を診せていただくと、首、肩、背中、腰の筋肉に強い緊張があり、顎関節・こめかみも軽い力で触るだけでも強い痛みがあります。異国の地で身体に異変があれば、さぞや不安なことでしょう。
筋疲労による緊張(こり)が最初にあり、痛みによる緊張がそれに輪をかけているようです。身体全体がこり固まり筋肉の下に板が入っているようにパンパンに張っています。
肩も少しの押圧で大変痛がります。表面は柔らかいのですが、背中・腰も筋肉の奥に硬いものを指に感じます。
これだけ「こり」が強ければ、顔面の筋肉(表情筋)もこわばって痛みが出ても不思議ではありません。
最初は短い間隔で治療します
8月30日に治療が始まりました。
最初は治療間隔を詰めて来ていただきます。マッサージの間隔を短くすることで、最初に筋肉をゆるめ、その刺激が残っているところから2回目の治療が始められるからです。
2回目は9月3日です。ただひたすら、マッサージで首・肩を中心に筋肉をゆるめていきます。
3回目は1週間後の10日に来てもらいました。それ以降、1週間の間隔をあけ治療していきます。少しずつですが、筋肉の緊張が緩んできました。緊張が取れるにしたがい、顎関節・こめかみの痛みも緩和して、表情も穏やかになってきました。
1ヵ月後痛みがかなり減った
9月の末、治療を始めて1ヵ月が過ぎ、痛みは最初の痛みを10と数字に表すと2くらいまでに痛みが軽減して口も開き、こめかみ(側頭骨)の痛みもなくなりました。
一度筋肉がゆるんできてくれると、後はご自身の持っている自然治癒力で身体は快方に向かいます。
もう週1回での治療は必要なくなります。以降2週間に一度通ってもらうようにしました。
10月8日に来院。痛みは消失しました。念のために3週間後に予約を取ってもらい、最終確認をします。
身体を動かし筋肉を柔らかくする
この方、運動は一切やっていません。身体を動かして筋肉を柔らかくするために、ラジオ体操とストレッチを毎日するようにお話をしました。
幸いにも、毎週月曜日の朝にラジオ体操をする会社でしたので素直に受け入れてくれました。ラジオ体操で両腕をあげて回すときには、背中の痛みを伴いましたが「今では痛みはなくなった」と報告してくれました。
これからは、身体のメンテナンスで来院していただくようになるでしょう。
痛みが出ない身体作りのために、体操とストレッチを習慣づけていただきたいものです。
筋肉を硬くしないようにメンテナンスする
今回、顎関節症の話を書きましたが、顎関節症が全身の筋肉をほぐしてよくなるなんてご存知ない方はたくさんいらっしゃると思います。
患者さんをご紹介いただいた植松先生のお話では、初診検査時に、口が1.5センチしか開かなかったそうです。現在は4センチ以上開き、顎関節痛が消失しましたので、歯科での精密検査は必要なくなったとお知らせいただきました。約1ヶ月半で顎関節の痛みは消失し改善されました。
筋肉が疲労して硬くなると、顎関節症だけでなくいろいろな症状が出てきます。
当院では、痛みの治療から痛みの出ない身体作りを目指し、月一回のケアで身体を診せていただくようにお話ししています。痛みが出ない身体作りのためにも、体操とストレッチを習慣づけていただきたいものです。
顎関節でお悩みの方は一度、治療院よしぐちまでご相談ください。
自由が丘駅南口徒歩3分 奥沢駅徒歩5分の整体治療院です。