姿勢が悪いから痛むのか?痛むから姿勢が悪くなるのか?
姿勢を気にされる方は多く、「姿勢が悪いから痛むのか?痛むから姿勢が悪くなるのか?」と聞かれることがあります。答えはどちらも正解です。痛むから姿勢が悪くなるのは、痛くならないようにかばう姿勢を取るので自然なことです。姿勢が悪くなるから痛むのは、自分で意識して姿勢を直せば予防できます。当院ではそのお手伝いもできます。
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ある日腰痛で来院された患者さんに聞かれました
ある日、腰痛で来院された患者さんに聞かれました。「私、姿勢が悪いといわれるのですが、姿勢が悪いから腰痛になるのですか?それとも、腰が痛いから姿勢が悪くなるのですか?」このように質問される方は結構いらっしゃいます。
姿勢のことを気にされているのです。姿勢の悪さは外見に影響するので、女性は特に気にします。
姿勢が悪いから痛むようになり、痛みがあるから姿勢が悪くなります
この質問の答えは、どちらも正解です。
この方の場合は腰痛ですが、痛み全般についても同じことがいえます。姿勢が悪いから痛くなるのも、痛いから姿勢が悪くなるのも「鶏が先か卵が先か」のような話になってしまいますが、どちらも本当のことです。
説明が簡単な方から先に書きましょう。痛いから姿勢が悪くなる、これはある意味自然なことで仕方がないことです。
「痛いから姿勢が悪くなる」のはかばうから
患者さんのように腰が痛くなると、痛みが気になるので無意識に体をかばうようになります。これはどんな方でも行っていることです。
例えば腰が痛くても、寝ているわけにはいかないので、歩いたり、家事をしたり、仕事をしたり、いろいろなことをします。しかし、いつも無意識に痛みが出ない動き方をするので、痛みが全くない普通の時に比べると、かばってる分だけ不自然な姿勢になっています。
それが続くと、不自然な姿勢が当たり前になり、「姿勢が悪くなる」のです。
これが、腰が痛いから姿勢が悪くなる話です。
「姿勢が悪いから痛くなる」のは自分で予防できる
一方、姿勢が悪くて痛みが出るのは、不自然な姿勢のため筋肉が疲労して硬くなるからです。筋肉は硬くなると伸びなくなり、引っ張られて痛みを感じるようになります。
しかし、なぜ痛くなるのに、わざわざ姿勢を悪くするんだろう?と思いますね。
一番わかりやすいのはスマホです。スマホに熱中すると首が凝ったり痛くなりませんか?スマホを見ている時、かなり不自然な姿勢をしています。
こちらは姿勢の悪さが原因で痛みが出る話なので、「意識」して姿勢を直せば痛みが出ないように予防できます。姿勢が悪くなるのは、もちろん原因があります。
姿勢が悪くなる原因はだいたい3つある
姿勢が悪くなる原因はだいたい次の3つに分類出来ます。体の癖、スマホ・仕事場・家庭環境、運動不足です。それぞれ説明します。
体の癖
どなたも無意識に身体を動かすときの癖があります。階段を登るときにいつも決まった足から出したり、立っているときも左右どちらかに重心を置いていたり、椅子に座ると直ぐに足を組んでしまう。
このような癖は、身体を歪ませて姿勢に影響します。立っている時に左右どちらかに重心を置いている方は、身体がねじれています。
また、椅子に座ると直ぐに足を組んでしまう方は、歪みを補正するために座った時に組まずにいられない状態になっているのかもしれません。
このような癖の方に自然に立ってもらうと、左右に傾いていたり前に傾いたり後ろに傾いていることがあります。
スマホ・仕事場・家庭環境
スマホに熱中すると、長時間、首を突き出した姿勢を取り続けることになります。これはかなり不自然な姿勢で、重たい頭を首で支えることになります。ためしにスマホを置いて同じ姿勢を取ってみてください。多分長時間持たないと思います。熱中して意識が画面の向こうにあるからわからないのです。
机に座って仕事をしている方は多いと思います。たとえば、机が狭くてPCのモニターを正面に置けず、左右どちらか斜めに置いている方はいらっしゃいませんか?また、モニターが正面に置かれていても、机の下に物が詰め込まれていて、足が真っ直ぐに入らないなど。
このような環境で仕事を続けていると、身体が常にねじれた状態になっています。
また、お家では、リビングやダイニングで座る場所がいつも同じなんてことはよくありますね。すると、テレビを見る姿勢もいつも同じで、たいてい、身体に対して斜めになっていると思います。
これも姿勢がねじれています。日頃の何気ない姿勢なのですが、筋肉を疲労させます。
運動不足
意外と多いのが運動不足によって筋肉が硬くなっているケースです。
筋肉は使わないでいると関節の可動域も狭くなり、硬くなってきます。硬く縮んだまま背筋を伸ばしたくても伸びなくなり、筋肉が縮んでやがて猫背になってきます。筋肉が縮んだ状態のまま放っておくとやがて痛みがでてきます。
運動不足で思い出した患者さんのことを書いておきましょう。
運動不足とスマホの使い過ぎで肩から背中の筋肉が盛り上がってしまった女性
昔から通って来られている患者さんの紹介で、娘さんが来院されました。
主訴は背中の痛み、肩甲骨のあいだ奥の痛みです。触診しますと肩から背中にかけて盛り上がり筋肉の凝りがひどい状態です。
話を聞くと、運動不足でいつも深夜まで起きているそうです。そして、若い人たちにありがちなスマホのゲームをしています。就寝前のスマホは液晶のブールライトで交感神経を興奮させてしまい寝つきがわるくなります。
よい筋肉の持ち主なのでほぐせば痛みは改善されます。
ただし、治療をしながら生活習慣を自分で見直すことができるか?心配していましたが、しっかり意識して肩甲骨周囲をよく動かすエクササイズをしてもらい3回の治療で痛みが消失したことがありました。
姿勢の悪さは自覚できれば解消できます
姿勢が悪いことを自覚されていても、自分でどのように改善していけばよいのかわからない方がたくさんいらしゃいます。
まずは、止めた方がよいといわれていることを、意識して止めることです。
例えば、椅子に座ったときに足を組む癖がある方は、椅子に深く座り足を組んだら「あっ、いけない」とやめていく意識を持っていただけると足を組まなくなります。足を組む癖のある方に何度も実践していただくうちに皆さん「足を組まなくなった」とお話してくれました。
また、来院していただければ、立ち姿、座った姿勢などを拝見してアドバイスさせていただきます。
自然に立つのはなかなかむずかしいのですが、ご希望をいただけましたら、ストレッチポールやひめトレというツールを使い、身体の重心を探し、患者さんにとっての自然な立ち方をアドバイスをさせて頂きます。
座る姿勢について、下の図を見てください。
一番左が正しい姿勢。左から2番目と3番目が骨盤が後傾している方の姿勢。左から2番目の方は電車の中でよく見かけます。左から3番目の方は電車の中でスマホを見ている方の姿勢です。
骨盤が後傾している方に、「姿勢を正してください」とお願いすると、一番右のようになります。骨盤が後傾しているために反り腰(そりごし)になります。
もちろん、この姿勢も正しい姿勢に変えていくことはできます。
姿勢の悪さ、猫背が気になる方は治療院よしぐちまでご連絡ご相談ください。自由が丘駅南口から徒歩3分、奥沢駅から徒歩5分の整体治療院です。