高齢者の猫背治療は話は全ての人に必要なことなのかもしれない

高齢者の猫背は、加齢に伴う筋力低下や姿勢維持筋の衰えが原因であることが多いです。この状態は日常生活に支障をきたし、さらに呼吸機能や消化器官の働きにも影響を及ぼすことがあります。猫背を改善するためには身体の中心軸を意識し、インナーマッスルをしっかりと働かせるよう姿勢矯正のエクササイズをすること、さらにストレッチを毎日の生活に取り入れることが大変有効になります。

猫背の女性が来院

筋力低下や80代の女性がゴルフ仲間の紹介で来院されました。身体が曲がっていくのを何とかしてもらいたいとのことでした。

猫背の姿勢を除いては見た目も80代には見えずとてもしっかりしている方です。
何しろ、前日に、私に間違った情報を伝えてはいけないと自分の症状をこと細かに時系列に沿ってPCで書き、MRI画像等も添付して持ってきてくれました。すごい方です。

それを読むと、健康な子ども時代を過ごし、30代で硬式テニス、50代でゴルフを開始、70代で太極拳を10年続けたとありました。しかし、膝を壊し、現在は中止しているそうです。このように、身体を動かすことに大変積極的な方なので、姿勢をなんとか直したいと強く思っています。

猫背で息が切れる

改めてお話をうかがうと、年齢とともに背中や腰の違和感から始まり背中が丸くなっていったのだそうです。
今は、息が切れ、胸や胃が圧迫されていて歩いていて苦しいといいます。そのぐらい背中が丸くなってしまっています。

もちろん、内科的な病気ではないかと大学病院の総合診療科も受診したそうです。しかし、検査の結果は、肺や内臓に病気の心配はなく、呼吸器の検査では60歳の肺呼吸の能力があると言われました。

問診時、イスに座っている姿勢もかなり背中が丸く、その姿勢を後ろから見ていたスタッフも心配するほど身体が曲がっていました。

加齢によって猫背になる

猫背になるのは加齢が原因です。加齢により全身の筋力が低下していきます。さらに、姿勢維持に必要なインナーマッスル(多裂筋・腹横筋・横隔膜・骨盤低筋群等)も衰えてしまうので、姿勢を正すことができなくなります。
これは、この患者さんだけでなく、程度の差はあると思いますが、どなたにでも起こることです。

この方は、80代の女性としてはとても元気で意識も高く、自分のことが自分でできる人です。しかし、頭がはっきりしていて意識がしっかりしていても全く関係ないのです。

姿勢を変えなければならない

姿勢を保つためには、インナーマッスルをしっかりと働かせ、日常的に使えるようトレーニングしていく必要があります。

インナーマッスルと聞くと、アスリートを思い出す方が多いでしょう。しかし、インナーマッスルを意識して動かす習慣は、アスリートだけに求められるものではなく、一般の方々にもとても重要なのです。とはいえ、インナーマッスルを意識するのは少しむずかしい。逆に、グッと力を入れた時に張る筋肉はインナーの反対「外側」の筋肉です。こちらは意識しやすい。筋トレで太く大きくなる筋肉です。たいていの方は外側の筋肉を主に使って生活しています。

ところで、姿勢維持には本来インナーマッスルが使われるのですが、外側の筋肉を使ってもなんとか間に合ってしまいます。するとインナーマッスルはあまり使われないままになってしまいます。

やがて、加齢によって全身の筋力が低下すると、「外側」の筋肉もインナーマッスルも衰えて行きます。外側の筋肉が衰え、もともとあまり使われていないインナーマッスルも衰えると、この患者さんのように姿勢維持ができなくなり、背中が丸くなってしまうのです。

しかし、インナーマッスルをしっかりと働かせることができるようになれば、骨は真っすぐになりませんが猫背は改善されます。

治療開始

治療では、まず背中全体の緊張をゆるめるために、呼吸に合わせてゆっくりと筋肉をほぐしていきます。初めて来院された心の緊張と筋肉を同時に緩和させることを目指します。

ベッドにうつぶせに寝てもらい、背骨に沿って軽く軽擦します。この行為は患者さんの身体に「これから治療を始めますよ」と知らせることと、患者さんの筋肉の硬さや骨の形状を手のひらで感じ取るために行います。

脊柱起立筋を押すと、板のように硬くなって筋肉本来の弾力が失われていました。私の指を受け入れてはくれず押し返される感覚です。しかし、時間がかかってもマッサージで筋肉をゆるめて行けば改善されていくだろうと思っていました。

3回目のマッサージ治療の後、やっと肩甲骨周囲の筋肉がゆるんできてくれました。それと同時に深部にたまった疲れがでてきたのでしょう。「猛烈な睡魔に襲われた」と言っていました。この睡魔は好転反応の現れできっとよくなるだろうと期待しながら、4回目の施術後には筋肉全体がゆるんできた感触がありました。

間隔をあけず続けてマッサージ施術をした効果があらわれてきたと感じました。間隔をあけない施術は、前回のマッサージでゆるんだ筋肉のままの状態から始められるからです。一般的な筋疲労やコリの場合、この繰り返しで筋肉は柔らかくなってくれます。しかし、筋肉がゆるんでくれたのはここまで。

この方の場合、もともとの筋肉の質が硬く、また、「側湾症」という子供時代の成長期に背骨がねじれを伴い一方向に曲がっていく病気もありました。

一方向に背骨が曲がると、曲がっている方向に背中の筋肉が引っ張られて縮むことで、背筋を起こしていることが辛くなり、背中が丸くなります。側弯症の方は、正常な方に比べると、例外なく背中の筋肉が骨に引っ張られて盛り上がり、硬くなっています。

この方の場合、どうやら筋肉をゆるめるだけでは後傾している骨盤を正しい位置に戻すことが難しいようです。もちろん、最初の頃に比べれば筋肉はゆるみましたが、5回目の治療の頃にはそれも頭打ちになりました。骨盤後傾を改善するには特別なエクササイズが必要だと感じました。

側弯症のレントゲン写真

側弯症のレントゲン写真 *当事者の方の写真ではありません

治療方針変更

骨盤後傾を改善するには、今までの筋肉をゆるめるマッサージに加えて、ご自分で姿勢をいつも修正できるようになることが必要です。

姿勢をいつも修正するには、中側の筋肉(インナーマッスル)を常に意識することが必要です。そして、そのためには、身体の中心軸を自分でわかるようにしなければいけません。

今の状態は、骨盤が後ろに傾いて(骨盤後傾)体の土台が後ろに倒れるような状態になっています。それで無意識にバランスを取るために腰から背骨を前に丸めているのです。ちょっとその姿勢の真似をしてみてください。頭を前に出さないとバランスが取れないのがわかるでしょう。そのため、胸の部分の背骨(胸椎)が過度に丸くなり、極端な猫背の姿勢になるのです。

この状態から姿勢を改善するには、身体の中心軸の事を理解してもらわないといけません。

患者さんは根本的な姿勢改善を望んでいます。筋肉をゆるめるマッサージ治療と中側の筋肉(インナーマッスル)を常に意識して活性化していく2本立てで治療としていくことが必要で効果があがるのではないかとお伝えしました。

しかし、側弯症については、骨が曲がってしまう病気ですので、インナーマッスルを意識しても曲がった骨が真っすぐになることはありません鍛えられるのは筋肉(インナーマッスル)です。インナーマッスルがどんな働きをするのかを理解してもらうように「ストレッチポール」や「ひめトレ」という小さなストレッチポールに似たツールを使用し身体の中心(軸)はここだよとわかってもらいます。

ストレッチポール使用

最初にストレッチポールの上にあおむけに寝ていただき、腕を万歳の状態から半円をかくように足元に向かって動かしていきます。何回か繰り返した後、詳しく動きの説明は省略しますが違う動きの体操を何セットか繰り返します。不安定な状態で体を動かすことにより身体は中心を探します。このようにして、今回のエクササイズを治療時間として設けている50分の枠で実践して身体に中心を覚えこませていくのです。

すべてのエクササイズを終えエクササイズ前後の写真を見比べると、あれだけ強い猫背だったのが、きれいに身体が起き、姿勢が良くなっていました。本来ならば、写真を掲載して皆様に見ていただきたいのですが、プライバシーの問題もありお見せすることはできません。しかし、トップページの写真のように明らかに姿勢の変化が見受けられました。必ず姿勢の変化はあるだろうと自信を持っていましたが、まさか一回のエクササイズで別人のように変化したことに我々も驚いています。

以後、治療院ではマッサージ治療ととストレッチポールエクササイズを交互に繰り返して、施術後には自宅でできるストレッチや姿勢を正すためのエクササイズを提案し、日常生活に無理なく取り入れていただくよう指導しました。この患者さんはとても意識が高く、ご自分でも努力ができる方です。こうした積み重ねが徐々に筋肉の柔軟性を取り戻し、姿勢の改善につながっていきます。時間はかかりますが、ご本人の強い意志と継続的な努力が、少しずつ変化をもたらしてくれると信じています。

今回の話はご高齢の方のお話を中心に書きましたが、筋力が低下するのは高齢者だけではなく、運動不足になりがちなすべての人に当てはまり関係があります。ご自分の姿勢の悪さが気になり困っている方は、どうぞ治療院よしぐちまでご相談、お電話ください。お待ちしています。自由が丘駅南口から徒歩3分、奥沢駅から徒歩5分の整体治療院です。

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