猫背の影響を涸沢テント山行であらためて考えさせられた話

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スタッフ堀内です。先日の涸沢テント泊山行での出来事。上高地から涸沢までの約15キロの道のりを、仲間の一人が大きなザックを背負って、頭がザックに当たったまま、やや前のめりの猫背の姿勢で歩きました。そうしたら、皆と同じペースで歩けない、鼠径部(そけいぶ)が痛くなってくる、お酒大好き!なのに飲めないという状態になりました。幸い、彼女は大きなゲップをして体を反らせて無事復活したのですが、姿勢が体に与える影響をあらためて考えさせられました。

おやっ、歩く彼女の様子が普段と違う

先日の涸沢テン泊山行のときのこと。

みんな大きなザックを担いでいて、仲間の1人ナオちゃんも荷物が多いので体の大きな男性の友人からもらったという大きなザックを担いでいた。

ナオちゃんは体力はあるし、足は強いし、カヤックをやっているので体幹は抜群に強い。その彼女の歩く姿がどうもいつもと違って見える。体調はgood、元気なのに、なんというかキレがない。

みんなと同じタイミングで歩を進めているのに、遅れる。

ザックが頭に当たって上を向けない

途中の休憩のときに院長が声をかけた。

「ナオちゃん、どうした?」
「別に具合悪いわけじゃないんだけど」
「ザックが頭に当たって上を向けないんですよ」
「景色を見上げるときには顔を横にして下から覗き見る感じ」

前のめりの猫背になりあごを上げながら歩く

で、下ろしたザックを見たら。ナルホド、180センチ以上あるという大きな体の持ち主から譲ってもらったザックは背面長が彼女に合ってない。一見した限りではわからないけれど、頭が後ろに起こせず前のめりで、あごが上がるような姿勢。

この状況、私もクライミングのときに頭がザックに当たって上を見ることができなくて、そりゃ大変だった経験がある。女性は経験あると思うのだけど、車のヘッドレストの位置がちょっと高くて後頭部の上の方に当たって下を向かされてしまう、あんな感じ。

「ナオちゃん、今回はいい勉強になったね。荷物入れて背負って歩いてみなきゃわからなかったよねぇ。もうこのザックはオサラバだ」

左端のザックの大きさが50リットル、身長170センチの人が背負っている。一番右端のザックが、身長156センチのナオちゃんが背負っていた問題のザック!でかい。

鼠径部(そけいぶ)が痛くなってくる

歩きながら両サイドの鼠径部の上あたりを押さえて「ここが痛い、こんなの初めてなんだけどなぁ」というナオちゃん。「きっと重いからだね。大丈夫だよ」とニコニコ。

そこはアウトドア人間。
でもこのザック、歩きにくさだけでは済まなかったんです。

ザックに頭が押し出されている。

ザルを通り越した「ワク」のあなたがお酒を飲まないなんて!

さてさて、涸沢に到着。

今回の涸沢山行は3つのミッションがあって。

  1. 酒を飲む。
  2. 寝転がって星空を見る。
  3. モルゲンロートを見る。

夕ごはんは料理の上手い院長の独壇場で、女子は出来上がりを待ちながら先ずは乾杯!

このナオちゃんは実はワクである。ザルを通り越した枠。お酒大好き!そしてなんでも美味しく食べる良い子でもある。

なのに、彼女のピッチが上がらない。お酒も食事も。なんか元気がない。どうしたんだ、ナオちゃん!少し飲んで食べて喋って。しばらくして「ちょっと休むね」とテントの中へ。

皆もひと通り食べてお腹もいっぱいになった頃、いつの間にか暗くなっていて空は満天の星!まだ6時台だというのに頭上に天の川!

「ミッション2、寝転がって星を見る」もみごと叶う。気温は低いけれど風が全くなくて、ダウンの上下着込んではいるけれどぜーんぜん寒くない!

ゲップが出て体を反らせて復活

そこへ「わぁ、すごい!きれい!」とナオちゃん復活。

彼女の話によると、「胸がつかえているようで、ゲップが出たらスッキリしそうな感じだったの。それで仰向けでグーッと体を反らせるようにノビをしたら楽になった」

そう、みなさんの想像しているとおり、体にあっていないザックが彼女の頭を後から押さえて、若干猫背気味に。体幹の強いナオちゃんなので写真を見てもわからないくらいだけど。でもその姿勢は彼女の鳩尾のあたり(そうです、横隔膜)を圧迫し、胃の入り口(本当は食道の下部)が押さえられたようになっていたのね。

そして彼女のもう一つの訴え、下腹部(鼠径部両側上部)の痛みに近い違和感。これも身体がいつものようにしっかりと起こせなくて、わずかながらも猫背気味になっていたために大腰筋が緊張状態になってしまい、足を動かすことで鼠径部の上あたりに痛みが出たのではないかと思う。無理もないよね、ザックは合わないわ荷物は重いわ、よく頑張った!

猫背になると歩幅が狭くなる。ちょっとオーバーに試してみるとよくわかる。なんだか頭から突っ込んで、足が後からついてくる感じ。ナオちゃんも足が前に振り出しにくくなって、当然歩幅は狭くなり、足運びはみんなと同じペースなのに「なんで遅れるんだ⁉️⁉️⁉️」ということになっていたんだろうなぁ。

彼女の不調が教えてくれたこと

この一件、私の仕事の色々なことにつながる。

猫背になると鼠径部からももの前の痛みを訴えるのは当然のこと

猫背姿勢。実はお年寄りに見られがちな状況。TVのCMで見たことありません?

「最近歩幅が狭くなって。若い人に追い越されるの」
「それは筋肉の衰えのせいです」

そのとおりです!

試しにまっすぐに立ってみてください。そして膝の力をちょっと抜くと。膝が少し緩んで若干曲がりますね。これがももの筋力が衰えたときの状態です。

そして膝が緩むと、骨盤が後傾して背中が丸くなって、顔が下を向いてしまうのであごを上げるようにして前を見る。筋力の衰えは体の硬さにもつながるし、姿勢の悪化にも当然つながります。

高齢の患者さんが鼠径部からももの前の痛みを訴える方が少なくないのだけど、こんな理由もあるんだな。

でもそれだけではないんですね。ナオちゃんの例にあるように、お年寄りでなく若い人でも、前かがみの姿勢が鼠径部からももが痛くなる大きな要因になることもある。

たとえば、合わない靴履いていると変な歩きかたになりますよね。ブカブカのヒールを履いている女の子もそう!
そして、長い時間座りっぱなしでPCと向き合って仕事をしている姿勢はどうでしょう?

前かがみの姿勢には注意しましょう。

背中が丸くなったままだと内蔵にもよくない

もう一つ、内臓に関わってくる問題。食道裂孔ヘルニア。

食道裂孔ヘルニアというのは、胴体の胸とお腹の境にある横隔膜(筋肉でできている)には「食道裂孔」という穴が開いていて食道が通常では食道と胃のつなぎ目(胃食道接合部)が固定されています。この穴がなんらかの原因で大きくなり、胃の一部や他の臓器が胸の方に出てきてしまう状態です。

食道裂孔ヘルニアは様々な原因があると言われていますが、つい最近のこと、友人の母上が発症し、その原因が円背(えんぱい)とのこと。高齢の女性では背中の骨が曲がる(円背)ことによって腹圧が高くなることと、筋肉のゆるみによって食道裂孔ヘルニアが生じやすくなると説明されたそうです。

ナオちゃんの胃の膨満感の症状は食道裂孔ヘルニアとは違うものではあるけれど、腹圧が高くなったことは同じ。
円背は姿勢悪いだけじゃなくて、内臓への負担大なんだよね。年齢に関係なく、気をつけなきゃいけないですね。

院長の涸沢山行記は、星空飲み会&モルゲンロートin涸沢カールをお読み下さい。

治療院よしぐちは、自由が丘駅南口から徒歩3分、奥沢駅から徒歩5分の整体治療院です。

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