指の腱鞘炎について

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ばね指になった患者さんが連続して来られました。指の腱鞘炎には、親指が痛くなるドケルバン腱鞘炎と親指以外の指が痛くなるばね指があります。どちらも指の使い過ぎが原因です。ばね指は、PCのキーボードの打ち過ぎが原因になりやすく、ドケルバン腱鞘炎は、今どきはスマホの使いすぎが原因になりやすいと思います。この症状は整形外科に行って炎症を抑える注射をしてもらうと早くよくなります。当院では前腕を緩める治療をします。

ばね指になったと患者さんが来られました

このところ続けて、ばね指になったと患者さんが来院されました。不思議に思って、原因について思い当たることをお聞きすると「わからないです」と言われます。

しかし、今どきは仕事をするときにPCを使わないことはほとんどありません。毎日のことだからあまり意識していないのかもしれませんが、キーボードが原因だろうなと思いました。

指の腱鞘炎について少しご説明しましょう。

指の腱鞘炎にはドケルバン腱鞘炎とばね指があります

まず、下図をご覧下さい。指の骨に沿って白い筋がありますが、それは腱です。腱は赤い筋肉とつながっていて、筋肉の動きを骨に伝えます。

この腱を覆っている(図示していません)のが腱鞘といいます。鞘(さや)という字ですから文字通り腱を覆っています。その腱鞘が炎症を起こしているのが腱鞘炎です。

 

指の使いすぎによる腱鞘炎は、親指の付け根に痛みの出るドケルバン腱鞘炎と親指以外の指に症状が出るばね指があります。

ドケルバン腱鞘炎

親指を伸ばしたり広げたりする働きをする筋肉(長母指伸筋、短母指伸筋、長母指外転筋)が使いすぎにより腱鞘との間が狭くなり炎症を起こし、親指を曲げたり広げたりすると、親指の付け根や手首が痛みます。

下の写真はドケルバン腱鞘炎のテストです。このようにして親指の付け根に痛みがある場合、ドケルバン腱鞘炎を疑います。

ばね指

握った指を伸ばすときに引っかかり、伸ばすときにばねのように勢いよく伸びることからばね指と呼ばれます。親指以外の指に症状が出ます。

腱鞘の構造はトンネルをイメージして、トンネルの中を腱が通っていると思ってください。指の使いすぎにより腱が太くなるか、腱鞘が肥大することにより、トンネルの出入りがしづらくなり炎症を起こして指の曲げ伸ばし時に痛みが出て、引っかかるようになります。

この腱鞘は靭帯性腱鞘と呼ばれ、指を握るときに使われる屈筋の腱を抑える働きがあります。

下の写真で矢印をつけた第二関節付近が腫れて、指を伸ばす時に引っかかります。

原因は使い過ぎです

ドケルバン腱鞘炎もばね指も、指の使いすぎで起こります。

指を使いすぎると、前腕の筋肉が張って来ます。その張りが取れないまま使っていると、筋肉が硬く縮んで伸びにくくなり、筋肉と指の骨をつないでいる腱が引っ張られるようになります。それでも指を動かさなければいけないので、(例え話ですが)腱が周囲にある腱鞘をゴシゴシこするようになり、やがて炎症を起こすのです。

親指の使いすぎは、多分、スマホです。私の娘も信じられないスピードで親指を動かして操作します。女性はみんな操作するスピードが速い。電車に乗ると、スマホでゲームをしている人をよく見かけます。夢中になっているので、その時は指の疲労は感じていないでしょう。

ばね指になるのは、キーボードの叩きすぎが大半だと思います。患者さんの中に、毎日大量に書類を作成するので、キーボードの文字が消えていると言われた方もいます・・・。

サポーターや湿布はあまりあてにしないで

痛みが初期で軽傷の場合 、サポーター、湿布(外用鎮痛消炎剤)等を使用するのもよいですが、早めに整形外科の受診をお勧めします。この症状は、整形外科の治療が有効です。

症状を悪化させると激痛に変わり完治まで長く時間がかかります。下に書いた当院の症例をお読み下さい。

そして、親指を使い過ぎて疲労させていることを自覚して、手を休めること。次のストレッチを毎日やることで治療期間を短くできます。

おすすめのストレッチ

指に腱鞘炎が起きると、必ず前腕の筋肉が硬くなっています。しかし、なかなか自分では前腕の筋肉の硬さは気がつかないものです。

手のひらを交互に、こちら側と向こう側に向けて、向こう側からもう一方の手で押して下さい。ツーンとした痛みを感じるはずです。

筋肉の疲労には温めるのが良いので、湯船に浸かりながら下の写真のような前腕のストレッチをしてください。そして、少しでも早く第三者の手を介して疲労を取り除いてください。

    

当院の治療

指の腱鞘炎では、手に関連する筋肉が硬くなりますのでそれに関する首、肩、背中などの筋肉をマッサージとストレッチを併用して緩めていきます。

腕の筋肉が凝っていることに気がつかない方が多い

とくに、腱鞘炎の症状が出ている前腕の筋肉は特に硬くコチコチになっていますのでストレッチを多用し、最後にテーピングをします。腕のマッサージにはいると皆さん痛がり顔をしかめ、そして「こんなに、腕の筋肉がこっていたなんて」と驚かれます。

当院の症例

整形外科の治療と当院の治療を同時に行った症例です。

60代 男性 Sさん

毎月、身体のメンテナンスに来院していただいています。来院されたときに、「ばね指になってしまった」と言われ診させていただくと予想通り前腕の筋肉が硬くなっていました。検査で手を握ってもらい開く時に引っかかり指も関節のところで腫れていました。

治療はマッサージ、ストレッチで全身、腕の筋肉を緩めて手首の関節の調整をして終了です。月一回の治療では限界があり、そのときに「一時的に楽になっても直ぐに筋肉は硬くなり良くならないので、次回の来院時までに前腕のストレッチを毎日続けてください」とお伝えして帰って頂きました。

Sさんは、整形外科で炎症を抑える注射をしながら2ヶ月後に良くなりました。整形外科での治療と当院の治療をしても完治まで時間はかかるものです。皆さん、早めの治療を心がけてください。

手首の腱鞘炎でお悩みの方、治療院よしぐちまでご相談ください。ご連絡お待ちしています。

自由が丘駅徒歩3分、奥沢駅徒歩5分の整体治療院です。

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