右膝の皿の下側が痛くなったのは腰椎3番が原因だった

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スタッフ堀内が、ある日突然、右膝の皿の下側部分が痛いと訴えました。昨年、腰部脊柱管狭窄症で手術を受けたのでその影響かと思いましたが、先月春山で転倒し背中を打撲していました。原因は打撲した時に腰椎3番周辺を痛め、腰椎3番から出ている神経がつながる右膝が痛んだと分かりました。治療は、腰椎3番付近と太ももの裏側をひたすらマッサージで緩めて、ほぼ痛みはなくなりました。

膝が痛い

右膝の皿の下側部分が痛い

今回の患者さんの主訴は、右膝お皿の下側部分の痛みです。

なんと痛みを訴えてきたのは当院のスタッフ堀内智恵子。原因を聞いてみても「思い当たる節はとくになく、急に痛みが出てきた」と患者さんからも良く聞く答えがかえってきました。来院される患者さんにいつもお話をするのですが、原因があって「痛む」結果があります。

そして、たとえ痛みが強くても原因があった方が私たち治療師は安心します。痛みの治療をして、取り除けば良いだけですから。原因がわからないと患者さんを早く楽にしてあげられません。

ここから二人三脚での原因究明が始まりました。

1年前の腰部脊柱管狭窄症が原因だろうか?

堀内は、ちょうど一年前に「腰部脊柱管狭窄症・腰椎椎間関節嚢腫」という長い病名をもらい、腰椎開窓術(腰椎部分椎弓切除術)というこれまた難しそうな名前の手術をうけました。

手術の詳細はこちらで読んで下さい。

ここで少し脊柱管狭窄症の説明をします。

腰部脊柱管狭窄症とは、脊髄の入っている背骨の管(脊柱管)が狭くなり、脊髄から枝分かれした神経の束がつぶされることを指し、症状は神経を圧迫されて痺れや痛みのために歩行困難になります。

昨年末 右足のすねの外側にしびれが出たことがあった

去年の12月末に右足の脛(すね)の外側に痺れがでて、もしや手術をした腰椎に問題が出たのか心配になり、手術をした病院を受診し、レントゲン診断をしてもらったことがあります。

幸い、「腰椎4番5番の動きはしっかりあるので心配はありません」といわれ安心しました。心が身体に及ぼす影響は大きなもので、本人もホッと安心したのかそれからしばらくして痺れはなくなりました。

このような経緯があるので、今回の膝に出る痛み痺れがまた腰椎から来ているのかもしれないと疑いますが、われわれは外側から身体をさわって筋肉の硬さを診ることしか出来ません。

「もう一度専門医に診てもらわなければ話は進まないね」と結論が出ました。

しかし、話をしていくうちに一つだけ思い当たることがありました。

先月 登山に行きアイスバーンで転倒し背中を打撲した

3月11日に我々は群馬県の上州武尊に雪が残る春山を登りに行きました。

武尊の登山口は川場スキー場からのアプローチになり、2本のリフトを乗り継いでいきます。その1本目のリフトに乗るときに乗り場の足下が凍っていてスリップし、左に傾きながら転倒して尻餅をついたところに、4人乗りリフトの座面が堀内の左側の背中を直撃しました。

その時、肋骨を痛めたようなのですが、登山を続け無事に登頂することができ帰宅しました。

しかしその夜、打撲した背中を中心に、あちこち痛みが出ていました。翌日、肋骨が折れている可能性があるか検査をしました。骨折していると深呼吸、寝起き、咳、くしゃみをしたときに激痛が走ります。

症状はひどくなく、骨折ではなく打撲であるだろうと考えました。骨折でなければコルセットをして時間薬で治っていくのを待つしかありません。

ところが、その後、転倒したときに特別打撲したわけでも痛めたわけでもない右膝の皿の下側が痛むようになったのです。

転倒した1週間後から膝周囲の痛みが出始めた

その痛みは1週間後に突然でました。症状は右膝前部周囲と仙腸関節右側に神経痛。本人の言葉を時間系列で記録として残しておきます。

  • 3月18日(木)夜に右膝に違和感。
  • 3月19日(金)右膝、右側仙腸関節同時に神経痛を発症。

痛みには波があり、痛みとも吐き気とも言い難い感覚が内側からもでて、膝を押さえてガーッと強く擦る(さする)しかない感じが強くなっていく。

神経痛は、夜寝ていているときにもつらく、1日の中で動いているときが楽で、座っていても立っていても痛みの変化はなく夜になると痛みが強くなる状態で、温めてみても効果はありません。

  • 3月22日(月)仕事の終了後、もう動くのが嫌なくらいの痛みがMAXに。その状態が2日ほど続いて24日に少し痛みが治まってきた。
  • 3月25日(木)仕事が休みの日で、家でじっとしているより動いていた方が楽なので、丹沢塔ノ岳へ。動いているときに、多少のうずきはあるが楽でいられる。

「歩いている方が楽になる」と整形外科の先生に話すと「アドレナリンがでて興奮状態に身体がなる」からと言われるのですが、治療院でも動いていると痛みは楽になりますので違うような気がします。

  • 3月28日(日)に神経痛は軽減してきていたが、脊柱管内の疾患かどうかの確認はしておくべきで日程調整をする
  • 3月30日(火)急遽手術をした新百合ヶ丘総合病院、脊髄・椎末梢神経科を受診する。

レントゲン、MRI画像診断ともに異常なしでドクターも「う~ん・・・?現時点で脊髄神経のからの心配はないと思われるので、念のために膝(骨に異常があるかないか)を診てもらってはどうですか」と整形外科の受診を勧められる。

このときの診断で脊柱管内の異常ではないことを聞いたので安心したのか、時間が癒やしてくれているのか4月に入り痛みの感覚、部位が明らかに変わってきて、日毎に症状が軽減してきている。

  • 4月8日(木)棒ノ折山を歩く。下山後神経痛の症状はなく、膝に痛みはあるが関節の痛みではなく、太ももの筋肉が膝関節に付着している部位に感じる状態まで症状は改善して、現在に至っている。
  • 4月10日(土)神経痛の痛みが残っていたら整形外科を受診しようと思っていたが、膝も仙腸関節も神経痛が抜けていたので行きませんでした。

しかし、「整形外科でドクターの見解を聞いておけば良かったな」と思って現在に至っています。

以上がスタッフ堀内による記録です。

堀内が神経痛と書いているのは、まず、転んで膝を打撲したことが原因の痛みではないとご理解下さい。そして神経痛は、なった方ならおわかりになると思いますが、耐えられないような痛みが断続的に出ます。

腰椎3番が原因になっているようだ

今回の痛み、痺れの症状は明らかに神経痛です。

下の図を見ていただくとわかると思いますが、脊髄からでている神経が身体のどの部分に影響しているかがわかります。赤い枠で囲っているところが今回の症状が出ている場所です。

私たちは、神経痛の場合、患者さんの痛みの原因を探るとき参考にするものがあります。下にある図です。デルマトームといって皮膚文節知覚帯のことです。頸椎、胸椎、腰椎の神経が、どの皮膚領域の感覚を支配しているかを表しています。

堀内の痛みの原因は、どの神経がいたずらをしているのだろうかと探ると、L3(腰椎3番)の神経の皮膚分節であることがわかりました。痛みがひどかったのと、今回は患者も同業者で経験や知識があり、3月20日には原因が腰椎3番にあるだろうと見当をつけていました。

腰椎といわれる骨はL1~L5(腰椎1番~腰椎5番)と5つの骨で形成されています。その3番目から出ている神経が今回の膝に関与して正しく(まさしく)図の通りの場所に痛み、痺れが出ています。

そして、痺れの出ている太ももの裏側の筋肉(大腿二頭筋)を探ると外側に強い硬結がありました。少し指を筋肉の奥に差し込んでいくと、痛みで身体が逃げます。この硬い筋肉を緩めて行けば楽になってくれるのではないかと推測しました。

また、今回の症状の原因をドクターに「症状が出ている場所(膝の前部、仙腸関節)がL3の神経領域なので脊椎が原因なのかはっきりさせたい」と話すと、「よく勉強していますね」「実はマッサージを生業としていますので」と伝えると「それなら納得ですね」先生との会話でした。

 

治療は腰椎3番付近と太ももの裏側をマッサージで緩める

筋肉が硬くなっている場所は背中の腰椎3番付近、太ももの裏側(ハムストリングの外側)でした。治療はその部分をマッサージで緩めて行きます。

治療は3月20日から始めました。

本人はマッサージを受けながら、「その場所を押されると膝の前のいつも痛む場所が疼きます」とその都度報告があり、疼くのであればつながっている証拠です。特にハムストリングのマッサージは、身体が逃げるように痛がりました。

治療を始めて5日後に丹沢塔ノ岳へ

スタッフですので遠慮無くマッサージをして硬くなっていた筋肉をよく緩め治療しました。2回、3回とマッサージしていくうちに、膝周りの痛み違和感が軽減してきたと報告を受けました。

堀内の記録では痛みはあるものの3月25日には一緒に丹沢塔ノ岳に出かけています。

治療の効果に確かな手応えをつかみ、連日のように集中的に腰から下半身をマッサージで緩め、3月28日には痛みが軽減したと本人も記録に残しています。

その後、4月17日現在、ほとんど膝周囲と仙腸関節の痛みは消失しています。

今回は、堀内が腰椎3番を痛めた春山登山に一緒に私も行っていたことと、治療を受ける堀内に長年の治療の経験と知識があったので、原因を早く突き止めることができました。

この記事を読んで下さった方は、右膝の皿の下が痛む原因が腰椎3番にあったことを知って驚かれたかもしれません。膝を治療しないで腰と太ももの裏側をマッサージしているのですから。

また、今回のことで、やはり身体の痛みの原因は、(内臓が原因となることを除くと)筋肉の硬さによるものが多いと痛感しました。マッサージで身体を緩めていくことは治療の第一歩であり、とても大切なことだと再確認して日々精進を重ねています。

神経痛で長年辛い思いをされている方、「もう治りませんので上手に付き合って言ってください」と言われ諦めている方、一度治療院よしぐちまでご相談ください。ご連絡お待ちしています。

自由が丘駅南口徒歩3分、奥沢駅徒歩5分の整体治療院です。

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