子供のぎっくり腰―筋肉の使い過ぎが原因となった例

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モダンバレエに熱心に取り組むお子さんが腰痛になりました。まだ小学校6年生ですがぎっくり腰でした。筋肉の使いすぎで仙腸関節の付着部に炎症が起きていました。子供はみんな身体が柔らかいと思ってしまいますが、筋肉のしなやかさには個人差があります。専門的な競技をしている子供は、日常的でない動作をするので筋肉の疲労回復には時間がかかります。子供だからすぐに回復すると考えないで、定期的な筋肉のケアや専門的な運動に特化したトレーナーによるストレッチを受けるのがよいです。

小学校6年生の子が腰痛になった

今年の春で、小学6年生になるお子さんが来院されました。親子三代にわたり診させていただいているご家族の娘さんです。娘さんがお腹の中にいるときからお母さんを診させていただいていました。その娘さんがもう11才になります。

金曜日にお母さんから「予約をお願いしたい」と電話がありました。メンテナンスと思い翌日の土曜日に予約時間をお知らせすると、切羽詰まった様子で「本日取れますか、娘から腰が痛くて踊れないとレッスン場から連絡があったので今日お願いしたいのです」と言われるのです。

モダンバレエのコンテストの2日前

予約時間をお伝えすると「娘を直ぐに行かせます」いつもと電話口での様子が違います。娘さんはモダンバレエをしています。

事情を聞くと、2日後にコンテストがあり群舞だそうです。もし、娘さんが抜けると、踊りの構成を変えなくてはいけなくなるそうで、残ったメンバーで2日間でリハーサルをして踊りを合わせるのはとても無理との事でした。

多くのコンテストにエントリーして常に上位で入賞を重ねている娘さんです。なんとしてもコンテストには出させてあげたいのですが、あまり痛みが強いと出場は難しいかと思いました。

筋肉の使い過ぎでぎっくり腰になっていました

来院してもらい身体を診ると、痛みの部位は骨盤を形成している左側の仙腸関節でした。軽く触るだけでも強い痛みがあり身体に力が入ります。

コンテストに出るためだけではなく、踊ることが好きで熱心に練習した結果、筋肉の使いすぎで仙腸関節の付着部に炎症が起きてしまい、じわじわと日を追うごとに痛みが増して、歩けますが、ダンスは出来なくなっていました。

お母さんは何度もぎっくり腰を起こしているので、お子さんから話を聞いたときに自分の時と同じ症状なので「あなたぎっくり腰じゃないの?」と言ったのですが「ぎっくり腰って大人がなるんでしょ?」と答えが返って来たそうです。娘さんのいう通りです。普通は、子供がぎっくり腰になるなんてまず思いません。

しかし、痛むまでの機序は違いますが、お母さんには「ぎっくり腰と同じですよ」とお伝えしました。子供でもぎっくり腰になるのです。

仙腸関節の左側に痛みがある

今回はいつものメンテナンスケアとは違って、ぎっくり腰の治療になります。触診で痛みの場所を探ると骨盤を形成している骨の仙腸関節の左側に痛みが出ています。

痛みの出ている部位に冷却パックでアイシングをして、深部を冷やしている20分間に、緊張している腰の上部の筋肉を緩めました。最後に歪みが出ている骨盤をブロック矯正して、テーピングをして終わりました。

本来は安静にしてもらうのが一番の治療ですが、責任感の強い娘さんです。本番を2日後に控えていましたので明日だけは安静にしてもらい、痛みがどこまで治まるか見守るしかありません。

普段は絶対に勧めないのですが本番当日、痛み止めを服用して踊ることしかないとお母さんには伝えました。

筋肉のしなやかさは個人差があります

大人になると子供はみんな身体が柔らかいと思ってしまうのですが、よくよく昔のことを思い出して下さい。体が硬い子もいます。個人差が大きく、骨格や筋肉の質は遺伝し、親もしくは祖父母譲りになります。

娘さんは、当院に治療ではなく、モダンバレエのため身体のメンテナンスに来ていました。お母さんがよく治療に来られているので、時々診るようになりました。

筋肉が硬くなっていた

娘さんは、だいたいいつも下半身の筋肉が練習のしすぎで硬くなっていました。

以前、当院にバレエの先生が通われていたことがあります。その時に「バレエでは背中とお腹で身体を上に引き上げる」と聞いたことを思い出します。女性のバレエダンサーは、見た目は筋肉質でない細い方ばかりという印象があります。実際はかなり筋肉(の力)を使うと思いますが、バレエはいわゆるインナーマッスル(コア)を使っているのでしょう。

もう一つ思い出す話があります。

学生時代、器械体操をしていた患者さんからは、「体操は太ももの前と外側の筋肉を使う」と聞いたことがあります。こちらは外から見える筋肉です。体操選手は細くても見た目がガッチリとした筋肉質です。

種目が違うと身体の使い方が変わるので、筋肉のつき方が変わります。

身体の動きを補うため筋肉に負担がかかっていたのかもしれない

娘さんは、現在指導を受けているバレエの先生から「今の身体の使い方をしていると足が太くなりますよ」と注意をされていたそうですが、確かに上半身に比べると下半身の筋肉が発達しています。

どこかで繊細な身体の動きや使い方を補うために、下半身の外側の筋肉を多く使っているのかもしれません。

しっかりしたお子さんで、お母さんが身体の心配をして「そろそろ治療院に行ったら」と促すと「まだ大丈夫」と言い、自分の身体が調子悪く感じるとお母さんに話して治療院に来てくれます。

いつもは、軽くマッサージでほぐしストレッチで身体のバランスを整えます。筋肉のケアはしていたのですが運動量とケアのバランスが追いつかず、ダンスで使う奥深いところの筋肉までは伸ばしきれずに腰痛になってしまいました。

コンテスト当日の話です。

娘さんは無事に踊り終えて、舞台裏に倒れ込むように戻ったそうです。結果は「本人的には悔しい思いをしましたが群舞で入賞4位を頂いた」とお母さんから嬉しい報告をもらえました。

よく頑張りました!

専門的な競技をしている子供には筋肉のケアが必要です

ダンスに限らずスポーツが大好きな子供は熱心に練習をします。

昨今、スノーボードやゴルフなど多岐にわたり目を見張るようなパフォーマンスをする子供達がいます。テレビを見ていても、将来活躍をしていくのだろうと容易に想像できます。親は才能ある子供達を応援します。

子供は大人と違い疲労の回復は早く、一日ぐっすり睡眠を取ると体力の回復はします。しかし、体力の回復と筋肉疲労の回復には大きな違いがあります。

日常動作とは違う動きをした筋肉は回復に時間がかかります

筋肉の疲労回復には時間がかかるのです。ダンスやさまざまなスポーツも、歩いたり物を持ち上げたりする日常の単純な動作とは違う動きをします。また、動きに正確さを求められるので、筋肉にかかる負担も大きいです。

このような筋肉疲労はじわじわと蓄積し、残念ながら睡眠を取っただけでは回復はしてくれません。子供の場合、身体ができていないので関節にも余分に負担がかかります。

今回は、ダンスに熱心に打ち込むお子さんの話をご紹介しましたが、スポーツに熱心に取り組むお子さんをお持ちのご両親にお伝えします。

今現在のお子さんの身体に注意をしてあげてください。

本格的にスポーツなどをやっているお子さんは2ヶ月に1度くらい定期的に筋肉を弛めて筋疲労を取り除くか、現在指導を受けている指導者に相談して、専門的な運動に特化したトレーナーによるストレッチを受けるようにするのもよいでしょう。

当院に来られる患者さんの腰痛について、腰痛にお悩みの方へを読んでいただくと、他にどんな症状があるのかまとめてあります。読んで、これは自分にも関係あると思ったらどうぞご相談下さい。

筋肉を緩めることについてどうぞ当院にご相談ください。ご連絡をお待ちしています。自由が丘駅南口徒歩3分、奥沢駅徒歩5分の整体治療院です。

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