正しいストレッチを覚えて下さい
治療院よしぐちでは、患者さんが自分で筋肉の硬さが取れるようにストレッチをおすすめしています。ところが、正しくストレッチができている方はほとんどいらっしゃいません。本や動画を見て、つい、完成形を真似しようとしてしまうのです。身体が硬い人でもストレッチはできます。治療時間を1枠取っていただいてストレッチを学んで下さい。
治療院よしぐちでは患者さんにストレッチをおすすめしています
当院に来られる患者さんの痛みの原因の多くは、筋肉の硬さにあります。筋肉は常に伸びて縮んでの繰り返し。たとえ、デスクワークで座っていても筋肉は使われています。縮んだ筋肉が伸びなくなるのが筋疲労であり、コリになります。一日の終わりにストレッチをして縮んだ筋肉を伸ばすことで、痛みの軽減や疲労回復に役立ちます。
患者さんは「毎日やってますよ」といわれますが
マッサージ施術中、「筋肉に疲労が蓄積していて硬くなっていますよ」お伝えすると、「ストレッチはしているのですが」と答えが返ってきます。皆さん、「やってますよ」というものの体にさわると筋肉がやわらかくなっていません。
ストレッチが筋トレになっている人が多い
定期的に来ていただいている方です。以前太ももの前面(大腿四頭筋)が硬くなっていましたので、大腿四頭筋のストレッチをお教えしてやってもらっていました。
太ももの前はある程度、柔軟性が出てきましたがまだまだ硬く、後面(大腿二頭筋)は硬いままです。ストレッチの効果があまり出ていません。話を聞くと、寝る前にストレッチをしているそうです。
どんな方法でしているだろうと思い、治療後、ためしにやってもらいました。
ベッドで仰向けに寝て膝を伸ばして片足を上げてかかとを突き出しています。
この時、太ももの裏からふくらはぎにテンションがかかるので伸びている気持ちになりますが、筋肉は伸ばされていません。むしろ軽い筋トレ状態になっていました。これでは筋肉は硬くなるばかりです。
また別の方も風呂に入った時にふとももの裏の筋肉をもんでいました。これもストレッチではなく単なるマッサージです。ご自分で揉んでも、身体はどこかに力が入っているので筋肉は緩んできません。このように、ストレッチと筋トレを混同している方の何と多いことでしょうか。
正しいストレッチをしましょう
患者さんの治療後、正しいストレッチを少しだけ指導しています。
ほんの少し指導するだけで、皆さんストレッチ時の姿勢が変わり、伸ばしたい筋肉が伸びているのを感じてもらっています。
また昨今、本や動画をお手本にする方もいます。YouTubeなど動画で見て手本にしている方が多いです。
YouTubeなどでストレッチを紹介している方の職業は、ヨガのインストラクター。この方々は、身体の柔軟性があり、きれいで正確なストレッチをします。
例えば床に足を伸ばして座り、身体を前屈してお尻から太ももの裏側を伸ばしているとします。この時、上体を倒すことが目的ではなく、上体を倒して行き、お尻から太ももの裏側の筋肉が伸びた結果、べったりと上体が倒れた完成形になっているのです。
ところが、身体の硬い人がこのようなきれいなストレッチのお手本を見てストレッチをすると、どうしても完成形を真似したくなってしまうのです。上体を倒したいと思います。
しかし、背中が丸くなり、骨盤が後傾して目的の筋肉がうまく伸ばせません。ただ、姿勢を真似ているだけになってしまい、ストレッチの効果が得られないのです。
体が硬い人のストレッチ例
私は身体がすごく硬いので、ヨガインストラクターのようなきれいな完成形を披露できません。しかし、ストレッチで大切なのは、いまどこの筋肉を伸ばしているのか意識することです。
下の写真で、皆さんがやりがちな間違ったストレッチと、身体は倒れていないものの、しっかり伸ばしたい所を伸ばしているストレッチをご紹介します。
大腿二頭筋(太ももの裏側)のストレッチ
誤った例です。
ももの裏からお尻のストレッチ(黄色の線)身体を倒そう、倒そうとしている。結果、背中が丸く膝も曲がってしまいます。
正しい例です。
身体が硬いので、上体は倒れていませんが背中は伸びて、左手の置いてあるところから上体を前に意識します。おへそを前に突き出すように、足先は起こして踵を突き出すイメージで。この姿勢でだけで十分に太ももの裏側からおしりにかけて筋肉が伸びています。
もう一つご紹介します。
大腿四頭筋(太ももの前側)のストレッチ
誤った例です。
身体が前に倒れて膝が前に出ています。
正しい例です。
上体は真っ直ぐ。足を後に引く意識です。
大腿四頭筋のストレッチを後ろから見た場合で解説します。
誤った例です。
上体は前屈み、足が外に逃げている(赤い線)のがおわかりになると思います。
正しい例です。
足が外に逃げないで真後ろに引き上げます。
治療時間を1枠取っていただいてストレッチを学んで下さい
ストレッチしているご本人は痛みが出ないようにしようと必死です。しかし、上で説明したように間違ったストレッチをしている方が多いのです。
身体のために同じ時間を使ってストレッチをしていただけるなら、正確に効率よく効果が出るように心がけていただきたいです。是非、治療枠(50分)を取っていただいてストレッチを学んで下さい。
ストレッチで大切なことは次の通りです。
- 軽く痛さを感じるところまで伸ばします。しかし歯を食いしばるような痛みの我慢をしてまでするストレッチは逆に筋肉を硬くします。
- 一回の筋肉を伸ばす時間は短くても30秒くらい。硬くなった筋肉は時間をかけて伸ばします。
- 呼吸は止めてはいけません。筋肉を伸ばしているときは息を吐きます。
- 最低でも左右で2セット以上します。2セットする意味は1セット目で伸ばした所から始められるからです。
- 今どこの筋肉を伸ばしているのか、筋肉を意識することが大切。
- ストレッチの形が間違っていないか?しっかり、伸ばしたい筋肉を伸ばしている時は、他人が見てもきれいな形になっています。
- 左右のバランスが違うのは当たり前です。ご自分で硬い方の筋肉がある事を知りましょう。
このようにご説明すると、ストレッチは簡単そうに思えますが、実際は難しいものです。
皆さん、せっかくご自分のためにやっているストレッチ。しかしやり方を間違えれば、効果がないところか身体を痛めることになりかねません。
私たちも施術が終わった後に正確なストレッチを皆さんにお伝えしたいのですが、お教えする時間は残念ながらほとんどありません。
このブログを読んで下さって、正確でご自身の治療に役立つストレッチの基本をお知りになりたい方は、どうか治療時間を一枠取って体感してみてください。違いがおわかりになると思います。
ストレッチについて疑問やご希望がある方は、治療院よしぐちまでご相談ください。自由が丘駅南口から徒歩3分、奥沢駅から徒歩5分の整体治療院です。ご連絡お待ちしています。