歯の噛み合わせを調整したらうつになりかけた
歯科治療で噛み合わせを調整してから顎がおかしくなり、顎関節症で悩まれている患者さんが来院されました。別の歯科で検査したところ顎関節自体に問題のないことがわかり、噛み合わせ治療とその後のマウスピース装着でガチガチになった首から腰までの筋肉をゆるめる治療を開始しました。耳鳴りも強くでて、よくなるまで少し時間がかかりそうです。
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二子玉川の歯科クリニックの先生の紹介で患者さんが来院
二子玉川で開業している植松歯科クリニック院長先生のご紹介で、顎関節症で悩まれていた患者さんが来院されました。50代の女性です。
植松先生とのご縁は来院されている美容師さんからのご紹介でした。
歯科医は、ずっと同じ姿勢で患者さんの治療をします。どうしても体のバランスを崩し肩・首など筋肉の緊張が強くなります。当院の「身体の痛み・歪みの原因は筋肉の硬さによるものが多く、顎関節症もしかり。首・肩の筋肉の緊張が由来することもある」と考える治療理念を理解していただき来院していただいています。
植松歯科クリニックは、二子玉川、高島屋のすぐそばにあります。最新の設備を整えて治療にあたっています。患者さんを第一に考えている先生ですよ。
新しい患者さんは顎関節症と思っているのだが・・・
来院されたのは50代の女性Aさんです。
ご自身は顎関節症の症状だと思い悩み、セカンドオピニオンを受けるために植松歯科クリニックで診察を受けました。しかし、レントゲン検査等で顎関節症ではないことが判明しました。
しっかり検査して顎関節自体に問題のないことが判明したので、確実に筋肉の緊張が原因だとわかります。それでご来院されました。
ちなみに顎関節症とは、日本歯科医師会のサイト顎関節症にこのように書かれています。
口を開こうとすると顎関節(耳の穴の前にあります)や顎を動かす筋肉が痛む、あるいは十分には大きく口を開けられない。または口の開け閉めで顎関節に音がする。という症状がでます。
問診で詳細にお話をうかがうと、患者さんは、とある歯科医院に定期健診と歯のクリーニングに定期的に通っていました。ところが、2022年の年末に担当の先生が変わり、そこからトラブルが始まりました。
噛み合わせ調整でトラブルになった
その先生は嚙み合わせに大変こだわる方で、多くの著書があります。患者さんはかみ合わせ調整で奥歯など数か所削られ、まず、顎の調子がおかしくなりました。
今までは健康で、水泳、ウクレレ指導など活発に生活ができていたのですが、噛み合わせ調整後、身体中に緊張が出て、さらに過呼吸など強い症状が出てしまいました。
目に見える変化は、下あごが前にせり出してきてしまうことでした。口元の大きな変形で顔が変わってしまい、大変なショックを受けました。歯を削った直後からこれらの症状が出たことで不信感を覚え、担当医を変えてもらいました。
しかし、代わった担当医からは変形した顎を治すために、今度はマウスピースを24時間連続装着するという治療を1年間続けさせられ、今度は削って低くなった奥歯の高さを戻すために詰め物をされました。
ひどい症状は治まったものの、マウスピース装着で顎関節周囲の顔の筋肉が固まってしまい、それに伴い首・肩・背中と身体中の筋肉が常に緊張状態になりました。また、姿勢が前かがみになり、耳鳴りも始まりました。
鍼灸治療・マッサージの施術をうけると一時的には耳鳴りは弱まるものの効果は持続せず、ぶり返す毎日とのことでした。奥歯のかみ合わせの治療をうけ、自身では顎関節症と思いつらい症状のオンパレードで一時はうつ状態になってしまいました。
セカンドオピニオン2件
ある日、親戚の法事で集まった時、自身に起こったことの話をしたところ、植松先生にかかっている親類がいて「いい先生だから植松先生に診てもらったら」と紹介されたそうです。
早速、受診したところ、先生の見解は「レントゲン検査等で顎関節症ではなく、数多くの症状は筋肉の緊張からのもので高さ調整で詰め物をされた奥歯は自然に削れてくるので何もしないでよいです。心配ありません。むしろ何もしないほうが良いです」とのことでした。
話は前後してしまいますが、植松先生のセカンドオピニオンを受ける前に東京医科歯科大学顎関節外来の予約を先にしていたので、当院で治療開始後にセカンドオピニオンを受けましたが、見解は植松先生と一緒でした。2件のセカンドオピニオンで、精神的な不安はかなり取り除かれましたが、耳鳴りの症状は治まっていません。
それで当院に来られました。
治療開始
3月26日から治療を開始しました。
1回目:初診で身体を診せていただき、後頭部(首の境目)から背中・肩甲骨周囲・腰と一連の筋肉の緊張がひどくこり固まっています。まるで背中の皮膚の下に板が入っているようです。当院に来られるまで長くつらい毎日を過ごされてきたのが身体を触らさせていただき私の手に伝わってきます。
耳鳴りの症状がひどく出ていて筋肉の緊張が続いているので、1週間に一度の施術では到底筋肉の緊張は取れそうにありません。ご本人からも、もっと通いたいと希望されたので1週間に2度の来院をお願いしました。
2回目:引き続き全身マッサージ。コリは変わらず。耳鳴りあり。この日は東京医科歯科大学病院でのセカンドオピニオンを受けた後でした。女性の先生でゆっくり話を聞いてもらい、奥歯を削ったことで同じような症状で苦しんでいる方が大勢いると話してくれたと言っていました。検査結果は下顎骨(下あご)異常なしとの診断結果で、何もしないことが最良の治療だといわれました。
2回目以降、1週間に2度来ていただき、5月18日まで計12回来ていただいています。筋肉の緊張はかなり改善されてきています。耳鳴りは強く出る日もありますが、消失する日もあり確実に良くなってきています。
12回目:頚背部のコリを強く感じてしまうと下あごが出てしまう顔の変形は治りました。しかし耳鳴りは続いています。
治療の経過を続けて書きます
耳鳴りが強く出てしまうときは精神的に心がネガティブ(後ろ向き)になってしまいます。長い間つらい日を過ごしてきましたから当然のことと受け止めています。治療も少し時間がかかるようです。
しかしこのようなときは、耳鳴りがひどいときにフォーカスするのではなく耳鳴りが小さく気にならない日や消えている日にフォーカスし、必ず治ると強く思いますと心はポジティブ(前向き)になります。もう少し時間はかかるかもしれませんが、当院でできる限りのことはやらせていただきます。
また、痛みで来院される皆さんそうなのですが「痛いか痛くないかと問われれば痛い」と回答が返ってきます。しかし、最初の痛みを10とすると今の痛みはいくつですかと聞くと痛みの数字は減っています。そこに着目するとよいです。これがポジティブな思考になり、確実に治ってきている証になります。
この患者さんの経過は、またお知らせします。
よかれと思って歯の治療を受けてからのトラブルだからです。今回のブログ掲載を患者さんは「私のように奥歯を削られて体調を崩し苦しんでいる方が東京医科歯科大学顎関節外来のセカンドオピニオン時に多いと思いと聞きました。このブログを読まれた方が一人でも多く救われることを願っています」と了承してくれました。
医療機関を選ぶときアナログな方法で
今や時代は情報過多時代。ほしい情報は簡単に手に入るようになりました。昔は医療機関を選ぶときは知人や地元の評判を信頼できる人に聞いていました。アナログな方法ですが、今でもとても有効だと思います。書籍を多く出しているから大丈夫などと安易に考えて医療機関を選択しないようお気をつけください。
顎関節症で悩んでいられる方は治療院よしぐちまでご連絡ご相談ください。必要でしたら植松歯科クリニックもご紹介できます。植松先生と連携で身体を診させていただきます。自由が丘駅南口から徒歩3分、奥沢駅から徒歩5分の整体治療院です。