交通事故の後遺症は時間が経ってから出ることがある
交通事故に遭った患者さんが来院されました。2ヵ月後から頭痛と便秘の症状が出始め、治療開始はその4ヵ月後から始めました。首から肩、背中の筋肉が硬く、特に背中は板を入れたように硬かったです。連休を利用して集中的に緩めました。よくなるまで3ヵ月くらいかかりそうです。治療期間は、症状が出てから治療を始めるまでの時間と同じくらいかかります。
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交通事故から2か月後に後遺症が出始めた
出勤途中で交通事故に遭った方が紹介で来院されました。事故後、2ヵ月経ってから後遺症が出て、頭痛と便秘に悩まされるようになりました。当院に来られたのは、事故後7ヵ月、後遺症が出るようになってから4ヵ月後のことです。
事故があったのは2020年10月下旬です。会社には社有車で通勤しています。信号のない交差点で、相手の車が一時停止を怠り、運転席側(右側)に側面から突っ込まれた車対車の事故でした。
幸い、運転席より後方に突っ込まれたので大きなけがには至りませんでしたが、右半身は打撲していたと思います。車軸が横にずれてしまったそうで車は廃車処分になってもおかしくない状態です。かなりの衝撃を身体に受けたことでしょう。
「近くに歩行者が歩いていたのですが、もし突っ込まれた勢いで歩行者を巻き込んでいれば、死亡事故になっていたかもしれません」と本人が言っていました。この話だけでも事故の大きさがわかります。
頭痛が出て便秘になった
事故から2か月経過した2020年の12月も終わろうとしている頃に、頭痛の症状が出始め、同時に便秘になりました。
事故後、整形外科での治療を受けていたのですが、電気を当てるだけの治療で、なかなか治療の効果が出てきませんでした。しばらく通院したのですが、やめてしまったそうです。
実は、来院された方のお父様が定期的に治療を受けに来ていただいています。その関係で来院されたのですが、以前治療中に「息子が事故ってしまって」と聞きました。
「身体は大丈夫ですか、交通事故に限らないのですが事故後すぐにはむち打ち症状などが出ないケースが多く、しばらく経ってから身体の不調を訴える方が多いです。もし何かあればご相談ください」とお伝えしました。
その後、気になっていたので、時々息子さんの様子を聞いていましたが、やはり、しばらく時間が経過した後、身体の不調が出て来たんだなと思いました。
首から肩、背中の筋肉が硬い
事故から7ヶ月、痛みが出てから4ヶ月後の5月1日に来院されました。
お父様に似て、質のよい柔らかい筋肉をしています。ラグビー選手のように大きな身体は、大型のトラックドライバー時代に、重たい荷の積み卸しを手作業でやって作り上げた身体です。
身体を診させて頂くと、首から肩、背中にかけて緊張が強く、背中に板が入っているような硬さです。まず、硬い筋肉を緩めていかなければなりません。背中の右側と左側では硬さが違います。事故時の衝撃が身体を硬くしているところに、日頃の疲れが重なり今回の頭痛になってしまったのでしょう。
肩のコリは頭痛の原因になりやすい
来院されている方でも首、肩のコリが頭痛の原因になっていることが多いです。本人も、「身体の調子が悪いと仕事をしていてもイライラするし、休みの日も子供達と遊んでもあげられず、気力も出てこない」と話されていました。この身体では無理もないと思いました。
連休を利用して集中的に治療
今回、ちょうどゴールデンウイークなので休日が続きます。
集中して治療をしたいので、間隔を詰めて1日(土)、2日(日)と、間1日を空けて4日(火)に来ていただきました。これだけ集中的に身体をマッサージすると、ガチガチだった身体も緩んできてくれました。
当院で初めてマッサージを受けている間「身体が熱くなり汗が出てきました」と言われました。筋肉が緩んで血流が一気によくなったのでしょう。
「この身体では、さぞや辛かったでしょう。もう少し早く来ればよかったのに」と伝えると「身体の辛さはこんなもんだと思っていた」との返答でした。
皆さんもそうなのですが、筋肉が緩んだ状態を知らなければ、自分がどれだけ硬くなっていることもわかりません。
1回目の治療後の変化
翌日の朝、頭痛が出ました。
首を中心に背中を緩めたことの反応で出たもので、好転反応といいましてよくなっていく過程で一時状態が悪くなることはよくあることです。心配はありません。
事故以来、便秘にもなっていたので全身のマッサージ後、按腹(お腹のマッサージ)をしましたら「今日来院するまでに数回トイレに行き快調ですっきりしました」とうれしい報告をもらいました。
便秘には按腹が大変効果があります。
2回目の治療での変化
身体はマッサージの刺激が残って、昨日のような硬さは半減していました。ご本人も身体が楽になっている自覚があります。良い感じで身体の緊張がとれてきています。
3回目の治療での変化
1日おいての治療になります。身体の緊張はかなり取れてきました。2回目の治療の後は身体もリラックスができるようになって、昼寝をしたそうです。引き続き、マッサージで身体を緩めます。一度身体は緩んできてくれますと、自然治癒力がよみがえりどんどんと自分で治してくれます。
よくなるまで3ヵ月はかかりそうです
治療期間は3ヶ月を一つの目安にしてくださいとお伝えしました。ずいぶんと長く時間がかかるものだと思われるかもしれません。
今回のケースは事故に遭ってから来院されるまでかなり時間が経っていました。最初に身体を触らせていただいた時の筋肉の緊張度、過去の症例などから、時間を要すると思いました。
事故当初、身体はこのくらい大丈夫だと感じていても、自分で思っているほど大丈夫ではないことがあります。考えてみてください。車同士がぶつかって運転している人間に外傷がなかったとしても、衝突の衝撃を身体は受けています。
治療期間は症状が出てから治療を始めるまでの時間と同じくらいかかる
よく、患者さんから「どのくらいで治りますか?」と聞かれます。「症状が出てから治療が始まるくらい見ていてください」とお伝えしています。短ければ早く、長ければ、長くかかります。今回の場合、後遺症が出た直後から治療を始めれば、もう少し早く、事故後に治療を始めればもっと早くよくなったと思います。
しかし、以前からこのブログでも何度か書いているように身体には自然治癒力があります。阻害しているものを取り除ければ、早く治ってくれます。
追記
当初、「治療期間を3ヶ月を目安にしてください」とお話をしたのですが、5月1日来院して頂き連休中の集中治療が効をなして5月15日現在、4回目の治療で事故の後遺症(頭痛、肩の張り感)が全て消失しました。
今回の治療効果は、患者さん自身の年齢が若かったこと、本来持って生まれた質のよい筋肉(柔らかさ)があって、自然治癒力を阻害していた原因を取り除けた事でよくなりました。
治したのは、患者さんご自身です。
患者さんから「血圧も136/80会ったのが116/60に下がりました、また天候が崩れる前日に必ず出ていた頭痛が一切出なくなりました」と嬉しい報告を頂きました。高めの血圧も、首から肩にかけてのこりが原因でした。
交通事故などの後遺症でお悩みの方、治療院よしぐちにご相談ください。ご連絡お待ちしています。
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