運動不足が原因でぎっくり腰になった80代男性

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運動不足が原因で筋肉が硬くなりぎっくり腰になることがあります。ただし、ご高齢の方は、いつも椎体骨折(圧迫骨折)の心配があります。まず整形外科に行ってレントゲンを撮ってもらうのがよいです。通常のぎっくり腰は、治療を始めれば1週間程度で痛みはかなり軽減されています。長期化する場合はMRI診断をおすすめすることがあります。筋肉を落とさないように、ラジオ体操をして少しの距離でも歩いて下さい。

運動不足が原因でぎっくり腰になった80代男性

若い頃より身体を動かして、84才になった現在でもフィットネスクラブに在籍している男性が、コロナ禍で運動を2年間お休みして筋肉が落ちて、ぎっくり腰になってしまいました。

ご高齢であること。30年近くおつきあいがある方で、昔から一度も腰痛を訴えたことがない方だったこと。普通なら1週間程度で軽減される痛みがなかなか取れなかったこと。長年体を鍛えてきたので、ご自身の体の強さに自信があり、なかなか整形外科に行ってくれないのでとても心配になりました。

2週間経ち、ようやく痛みが軽くなり始め、単なるぎっくり腰だったのかなといえるようになりました。

とはいうものの、ご高齢の方のぎっくり腰は、いつも椎体骨折(圧迫骨折)の心配があります。それを知っていただきたくて、この患者さんの経過を書いておこうと思いました。

おつきあいが30年近くになる運動が好きな患者さん

この方とのおつきあいは30年近くになります。

私は、1996年に今の場所に移転して来ましたが、自由が丘にその当時あった三越フィットネスクラブのマッサージルームが独立開業の場所でした。ここで、2年半働かせていただいていました。

今回の患者さんは、その当時フィットネスクラブのメンバーでした。トレーニング後にマッサージルームにも来られました。以来、現在に至るまで身体を診させていただいていています。

もともとフィットネスクラブに通っている方ですから、体を動かすことが好きで日頃から鍛えている方です。

コロナ騒動前は、週に1回から3回定期的にジムで身体を動かして、帰りに当院に来て身体のメンテナンスをして帰っていました。

60代でジム主催の「ハワイホノルルマラソン」にも積極的に参加されていました。

その方が9月21日に「ぎっくり腰をやってしまった」と来院されました。

椎体骨折ではないかと思いました

原因を探るため問診をすると「9月19日にテレビを見るのに、変な姿勢になり斜めに座っていた」とのことでした。

痛みの場所は胸腰移行部といい、胸椎と腰椎の境目、脇腹の高さの骨付近になり、体を捻じるときに動く筋肉の場所になります。テレビを見ている姿勢を想像すると、同じ姿勢を長くしていたことで筋肉に負担がかかり、痛みが強くなったと考えました。

しかし、我々は、高齢者の方がぎっくり腰になると最初に椎体骨折(少し前までは圧迫骨折と呼ばれていました)を疑います。

以前、椎体骨折(圧迫骨折)とぎっくり腰を間違えないでという記事を書いたことがあります。椎体骨折の原因は骨粗しょう症です。この患者さんも80代ですので、骨が弱っている可能性があります。

痛みの原因は、椎体骨折と筋肉にあるかもしれないと両方を疑いながら、患部の遠いところからのマッサージで緊張した筋肉をゆるめていきます。

やはり、患部の筋緊張は奥の方に強くあり、押すと痛みが強くなります。様子を聞きながら筋肉をゆるめ、骨盤の歪みもありましたので最後に骨盤調整をして施術を終えました。

「さらし」でなくコルセットをお貸ししました

当院では施術後、ぎっくり腰の方には「さらし」を腰から胸まで巻いて患部の負担を軽減するようにします。負担を減らすことでぎっくり腰の治りが早くなります。

しかし、さらしの場合、一度外すと再度ご自分で巻き直すのは大変難しくなり、巻かなくなってしまう方もいます。今回も巻くのが難しいと言われ、さらしからコルセットに替えお貸ししました。

1週間経っても痛みがとれないので整形外科受診をお願いした

痛みの軽減のため、週2回来院してもらっています。普通のぎっくり腰では1週間位で快方に向かい、痛みの軽減が見られるのですが、1週間経過しても痛みは一向に変わりません。やはり、椎体骨折を疑います。

「今回の痛みの原因が椎体骨折によることが考えられますので、整形外科に診てもらってほしい」と説明をさせてもらったのですが、あまりご本人からは良い返事をもらえません。

こちらが思っているほどに、ご本人はそれほど大変なことと思っていないようで「マッサージしてもらって、すごく気持ちがいい」と返事が返ってきます。長く体を鍛えているので、ご自分の体の強さに自信をもっているのです。

ただ、椎体骨折でないかもしれないと思うこともあります。

今まで何人も椎体骨折の方を診させていただいています。椎体骨折しているとうつ伏せでのマッサージで筋肉をゆるめ終わると痛みが強くなりベッドから起き上がるのが一苦労になります。それ以前に、そもそも、うつ伏せになることも難しいのです。

この方の場合、施術後起きるときの痛みはありますが、うつ伏せになることは平気です。椎体骨折の痛みとは違うようでもあります・・・。

整形外科でレントゲンを撮って異常なしだが・・・

ぎっくり腰になり10日経過しました。しかし、痛みは変わりません。やはり椎体骨折の可能性が強くなったことを説明して、整形外科の受診を強くすすめました。

やっと整形外科に行ってくれました。

レントゲン診断の結果、骨に異常がないことが分かりました。医師から「どんどんマッサージしてもらってください」と言われた(?)と来院時におっしゃっていました。

ぎっくり腰の痛みの回復にしては遅すぎる

「少しは痛みが減った」と言われましたが、ぎっくり腰の痛みが回復していくような過程には至っていません。

私の中では痛みの原因が、筋肉8:骨折2でやはり椎体骨折の疑いが払拭できず、MRI画像診断をお願いしました。レントゲンでは写らないこともあるのです。

ご本人のなかで大丈夫と言う気持ちがあったのか、または椎体骨折の不安があったのか、MRI画像診断に行ってもらう約束を取り付けるまでに時間を要しました。

やっと痛みが軽減されてきた

そんなやりとりをしている間に、痛みが改善されてきました。患者さんの痛みが強かったので、私の中で時間がとても長く感じていたようです。改めて痛みが出てからの日数を考えてみますとまだ2週間しか経っていませんでした。

普通のぎっくり腰より時間がかかりましたが、痛みが軽減し始め、筋肉由来のぎっくり腰の痛みの回復過程になってきました。現在も治療中で、次回は1週間後の来院になりますが、次回は筋肉の硬さは残っているものの、痛みが取れて、これから治るまでに時間はかからないでしょう。

身体が強い人でも老化は免れない

若い頃より運動を続けて身体を鍛え、元気に過ごされていても年を重ね、高齢になって運動不足になることで急激に筋肉が落ちます。

長い間、身体を診させていただき一度たりとも腰痛を訴えたことがない方でしたので心配しました。今まで元気で過ごされていても、ある日確実に老化がやってくるのです。

歩くことの大切さ

今回の症例は、いままで定期的に運動をして筋肉を保持していた方が、運動をしなくなったことで急激に筋肉がおちて身体を支える力が低下したため痛みが発症したケースでした。

高齢になると、1週間で筋肉は落ちます。特に足の筋肉は身体の中で一番大きな筋肉です。歩かない生活が続くと、歩くことが億劫になり、家の中で座りっぱなしの生活になり、ますます身体を動かすことが面倒になっていきます。

その結果、腰、下肢の筋肉が目に見えて落ちます。

どうぞ、皆さん、毎日ラジオ体操をして少しの時間、距離で結構です。歩いて身体を動かしてください。

「歩こうかい」「月イチヨガ」をやってます

皆さんの歩くお手伝いのため、歩く楽しさを知ってもらうため、身体を動かす気持ちよさを知ってもらうために、治療院よしぐち「歩こうかい」「月イチヨガ」があります。来院される皆様、どうぞ参加してくださいね。

「歩こうかい」の「かい」は敢えて、ひらがなです。「会」ではないです。皆さんに問いかけです。「歩けるね」「歩こうよ」「歩こうかい」なのです。

当院に来られる患者さんの腰痛について、腰痛にお悩みの方へを読んでいただくと、他にどんな症状があるのかまとめてあります。読んで、これは自分にも関係あると思ったらどうぞご相談下さい。

ぎっくり腰で来院される方は多いです。ぎっくり腰や腰痛でお悩みの方、いつでも、治療院よしぐちまでお電話ください。お待ちしています。自由が丘駅南口から徒歩3分、奥沢駅から徒歩5分の整体治療院です。

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