「胸が痛い」心臓病かと思ったら 背中の張りが原因だった一例

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「胸が痛い」と初めての患者さんが来られました。循環器内科で検査を受け異常なしでした。胸の痛みの原因は背中の張りでした。首のつけねから肩甲骨周辺にかけて背中の筋肉が盛り上がって強いこりがありバンバンに張っていました。ひたすら背中の筋肉をゆるめ、4回の治療で、胸の痛みが消失しました。「胸が痛い」時はまず病院へ行って下さい。

「胸が痛い」と初めての患者さんが来院されました

「胸が痛い」と30代の男性Aさんが来院されました。初診時には詳しくお話を伺います。

症状は左胸の痛みを訴えていました。最近、会社の同僚が心臓を悪くされたそうで、場所が左胸だけにご本人も「自分にもきたか」と、心臓に異常があるのではないかと心配になられたそうです。

循環器内科の先生に「整体に行ってみたらどうですか」といわれたそうです

Aさんは、早速、ネットで自由が丘近辺の循環器内科を検索して受診され、心電図など心臓の検査を受けたのですが、どれも異常がないとの診断結果でした。

循環器の先生は話を良く聞いてくれて「検査結果は異常ないので、胸の痛みは神経痛かもしれないので整体に行ってみたらどうですか」とアドバイスをされたそうです。

Aさんはすぐに、検索して当院に行き着き電話をいただきました。

なかなか、西洋医学の先生方は、私たちのやっている東洋医学的な療法(マッサージ等)を認めて下さる方が少ないのですが、このようなアドバイスをされる先生もいらっしゃるのだなと思いました。

記事によく書いているのでお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、私は患者さんに安心していただくために整形外科受診をすすめることがよくあります。骨に異常がないかまず調べてもらうためです。

常々、当院も西洋医学の先生と密に連携をとって、来院される方の利益になるようになりたいと思っています。

Aさんが受診した循環器内科の先生は、患者さんの利益を一番に考えていらっしゃる先生だと感じました。たかみ内科・循環器クリニックだそうです。

胸が痛い原因は背中の張り

ベッドにうつ伏せに寝ていただき、背中の触診です。施術を始めるときに、まず、首から腰にかけ軽擦します。ご本人は自覚していなかったのですが、首のつけねから肩甲骨周辺にかけて背中の筋肉が盛り上がって強いこりがありバンバンに張っています。

当院で背中のこりが胸の痛みになった症例は何例もありましたので、肩から背中にかけての筋肉の硬さが原因だろうと考えられました。

先に循環器内科を受診されたので内臓に原因はないと安心して治療できます

身体の痛みは内臓疾患ででる場合もあります。来院して診させていただき、痛みの考えられる可能性を消去法で原因を探ります。

最初に安心のため病院などの医療機関の受診をおすすめする場合もあります。それで内臓などに異常がなければ筋肉に問題があると考え、施術をしていきます。

今回、Aさんは先に循環器内科を受診されて異常なしの診断をもらっていましたので、当院でも安心して筋肉の問題として考えました。

なぜ、背中がひどく張っていると胸が痛くなるのか?

背中の筋肉がひどく凝って硬くなると、呼吸する時に胸郭が広がりづらくなります。しかし、呼吸するために胸の前の筋肉(大胸筋、胸鎖乳突筋、横隔膜など他4種類)が無理矢理引っ張られる事で、肋間神経を刺激して胸の痛みの原因になったと思われます。

私があん摩マッサージ指圧師の資格を取るために勉強をした専門学校は、整体術に特化した学校で、長命で健康者を対象に調査研究を進め、健康な家庭では脊柱がほとんど真っ直ぐで、病気がちの家庭では脊柱に捻れが生じているとの考えで独自の治療体系を確立し、後に学校を設立した経緯がある専門学校でした。

筋肉が硬くなると骨を引っ張って身体が歪む

これらの考えで、心臓、肺、呼吸器系統の症状が出る場合、肩甲骨周囲の脊柱が関係していると学び、修業時代から脊柱の捻れなど勉強してきました。その後、独立開業して症例を重ねていくと、脊柱の捻れや骨格の歪みは、筋肉が硬くなり、骨を引っ張るので生じることがわかりました。この考えは、当院の施術の基礎になっています。

肋骨は背骨から始まり、胸の前にある胸骨というネクタイの形をした骨に付着して、心臓や肺を守っています。

肋骨は呼吸時に肺が膨らむのを助けるために胸腔を拡大させ、肋骨が上方に動きます。その呼吸運動に働く代表的な筋は、吸気呼気共に主に14種類。多くの筋が共同して働いています。

別の話になってしまいますが、喘息症状がある方は100%近く背中(肩甲骨周囲)の筋肉が硬くなっていますので、背中の筋肉をゆるめるマッサージ施術をしますと、制限されていた胸郭が広がり喘息症状が和らいだ症例も多数あります。それだけ胸の痛みや呼吸時の症状は、背中の筋肉の関与が大きいと思っています。

背中の張りの治療

痛みの原因が筋肉の硬さだと分かれば話は単純です。ひたすら筋肉をゆるめる事だけを考え、マッサージで筋肉をほぐしていきます。

背中の筋肉の硬さの度合いの判断は、肩甲骨が動くか動かないかで判断できます。

左側肩甲骨周囲の筋肉を弛めるのには、うつ伏せに寝ていただいている患者さんの左手を上から見たときに、4の字のように手のひらを上にして背中側に回します。こうすることで、肩甲骨が動きやすくなるので、左肩を手のひらで包むように下から持ち上げ、右手で肩甲骨周囲の筋肉に沿わせ肩甲骨から筋肉を剥がすように、肩甲骨を動かしながら首の付け根から肩甲骨周囲をマッサージしていきます。

どのようにゆるめるかの詳細は、以前書いた肩甲骨はがしが話題だと聞きましたも参照してください。

治療の経過

胸の痛みは4回の治療で消失しました。

11月8日 1回目の施術

背中のこりがとても強く、パンパンに張っている状態でこれだけ筋肉が硬ければ、場所を問わず身体に痛みが出ても不思議ではない状態です。このような状態になると、長い時間をかけてマッサージしても一回ではほぐしきれません。しかし、マッサージの刺激が身体に入りましたので、一日経過しますと身体はゆるんでくれます。

よくあるのですが、身体がとても疲れている方が「長い時間、揉んでほしい」と言われます。しかし、身体に入る刺激は、一定以上になると身体が刺激に慣れてしまい、入りません。揉んでもらっている方は気持ちが良いので、もっと揉んでいてほしい気持ちはよく分かるのですが、お断りをしています。

しかし、そのような方には翌日にまた来院していただきます。一日、時間をおくと、前日の刺激で筋肉がゆるんだ状態になっているので、そこからさらに筋肉をゆるめることができるのです。

11月10日 2回目の施術

一昨日の刺激が入った状態で筋肉がゆるんだので、呼吸をしても胸郭の圧迫が解除され、胸の痛みはかなり減りました。

11月16日 3回目の施術

胸の痛みは、ほぼ消失しました。これから日一日と痛みが取れるのを、過去の症例から実感しています。今回の施術で終わりにしても良いのですが、再度痛みが消失した事を確認し、安心していただくために1週間後に予約を取っていただきました。

11月24日 4回目の施術

完全に痛みが消失したことでご本人に安心していただけました。胸の痛みの治療は今回で終了です。背中のこりに関しましては、仕事をしていれば致し方のないことです。定期的なメンテナンスの必要性をお話しして終わりました。

今回、胸の痛みの治療は1ヶ月、計4回で終了しました。治療内容は、首、背中、肩甲骨周囲、腰部と筋肉をただひたすらゆるめました。

またこれで、痛みの原因が筋肉にあることが判明し、自信を持って来院される皆様に説明できると確信しました。

「胸が痛い」はまず病院へ行って下さい

今回の話は、原因が背中の張りにありましたが、胸が痛いことを軽視してはいけません。心臓に問題がある可能性があるからです。

当院でも、25年以上来院されている方が、胸と背中の痛みで循環器内科を受診して、心臓カテーテル手術でバルーンを入れて血管を広げ事なき得ました。このような症例もあります。

この記事でご紹介した患者さんは、最初に循環器のクリニックに行ったことをお忘れなく。検査して問題がなければ、背中の張りなど筋肉に問題があると考えて下さい。その場合は治療院よしぐちまでご相談ください。ご連絡お待ちしています。

自由が丘駅南口徒歩3分 奥沢駅徒歩5分の整体治療院です。

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