足がつる原因は筋肉の硬さにある
寒くなり「寝ていて足がつる」と来院される患者さんが増えています。つる時間帯は明け方が多いです。ご高齢の方は、すねの外側や足底や指がつります。原因は筋肉が硬くなっているからです。冷えにも注意して下さい。足がつるのはけいれんです。足がつって、痛みが引いたらすぐにお湯をかけて温めて下さい。予防のためにはストレッチが有効です。
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寒くなって「寝ていて足がつる」と来院される方が増えた
12月に入り、はっきり寒くなりました。このところ、「寝ていて足がつる」と来院される患者さんが増えています。足がつったことがある方なら、あの痛みはわかりますね。
一般的に、筋肉がつると表現されますが、正確には筋痙攣、「けいれん」なのです。
年齢層は60代以降の方が多く、年齢が上がるにつれ人数も増えます。
つるのは明け方が多い
時間帯としては明け方に多いです。これは気温が明け方にぐっと下がるためだと思います。
足がつる場所として、一般的に運動量などが多い若い方は、ふくらはぎの筋肉に起こりやすくなります。そのため、「足がつる」といえば、ふくらはぎの筋肉がつるのをイメージする方がとても多いと思います。
高齢者はすねの外側や足底や指がつる
しかし、当院の場合、ご高齢の患者さんが多いので、すねの外側や足底、指がつるといわれます。すねの外側の筋肉は前脛骨筋といいまして、主な働きは歩行時につま先を上げることで使われます。ちょっとやってみて下さい。場所がわかりますよ。
前脛骨筋は、バランスの崩れた姿勢や、買い物などで長い時間歩くことで疲労しますが、この場所の筋肉が硬くなっていることは、なかなか気がつきにくいものです。
足がつると痛くてたまらないのでなるべくつらないようにしたいものですが、なぜ足がつるのでしょう?
足がつる原因は筋肉が硬くなっているから
足がつる原因は、筋肉が硬くなっているからです。
高齢者は冷えが引き金になると考えられますが、やはり根本にあるのが筋肉の硬さだと思います。
また比較的若い人の足が吊る原因は運度不足や、運動過多で筋肉が硬くなってしまいストレッチなどケア不足によって起こります。
何故、筋肉が硬いと足がつるのでしょう?それは、血流が悪くなるからです。酸素は血液によって身体の隅々まで運ばれますので、筋肉が硬くなると筋肉内の血管を圧迫して血流が悪くなり酸素不足にもなります。私は、これらの現象から下肢がつるのは細胞の酸素不足も一因があるのではないかと思っています。
冷えにも注意してください
筋肉の硬さには冷えも関係しています。最近もこんなことがありました。
足がつると来院された女性のお話を聞かせていただいていると「職場では冷え予防でスカートではなくパンツです」といわれるのですが、ひょっとして足が冷えているのではないかと思いました。
それで「暖気は上に、冷気は下に下がる性質があり、膝から下が冷えていることを意外と知らない方が多い」というお話をして、職場でレッグウオーマーの着用をおすすめしました。すぐに探して着用していただけて、つることがなくなったと喜んでいました。
筋紡錘と腱紡錘の誤動作によって足がつることもある
少し難しくなりますが、筋肉の中に長さに反応する筋紡錘(筋繊維の中にある)と張力に対する腱紡錘(腱と筋肉の間にある)というセンサーがあります。
筋紡錘:筋肉の伸びを感知して、筋肉が伸びすぎて引きちぎれないように、伸びすぎを防ぎます。
腱紡錘:筋肉が収縮することで腱が伸びを感知し、過度に縮みすぎないように、収縮のしすぎを防ぎます。
筋肉は脳からの指令によってコントロールされています。しかし、このセンサーが誤動作して、足がつることもあります。
下肢静脈瘤が原因になることも
また、下肢静脈瘤など病気からくる痙攣(筋肉がつる)もありますので最近、頻繁に足がつるようになった方は注意が必要で、整形外科などの受診をおすすめします。
下肢静脈瘤の詳細は、知ってください下肢静脈瘤のことというサイト内の下肢静脈瘤についてをご参考にしてください
足がつるのはけいれんです
足がつることは、筋痙攣(けいれん)と書きましたが、皆さん一般的に、けいれんというと筋肉がプルプル震えることを連想されると思います。
しかし、筋肉のけいれんにはこのように説明されています。
筋肉のけいれんとは、突然起きて短時間だけ持続する、意図しない(不随意の)筋肉または筋肉群の収縮で、通常は痛みを伴います。
この筋肉のけいれんが「筋肉がつる」とも表現されているのです。筋肉が収縮してしまい、痛いのです。ふくらはぎがつった時は、まったくその通りですね。
ところで、原因がわかっても痛いものは痛い。どうしたらよいでしょう?
足が突然つった時はどうすればよい?
突然足がつったとき、痛みが去ったらその後シャワーでつった足にお湯をかけて温めて下さい。
よく、つった場所をストレッチなどで伸ばす方が多いですが、痛くてなかなか伸ばしきれません。縮んでいる筋肉を無理矢理伸ばすと、傷める可能性もあります。
私も、山歩きをしていて太ももの内側がつったことがあります。頂上近くまで歩いて筋肉疲労がたまり、水分不足にもなっていたのでしょう。大きな段差を乗り越えようと、足を大きく上げて片足に力を入れた途端にやられました。直ぐにストレッチなどをしようものなら、最初につった場所と違う筋肉がつって大慌てした経験があります。
そのときには水を多めに飲んで、じっと我慢してつった筋肉が治まるのを待ってからストレッチをしました。
サッカーの試合中に足がつった選手にトレーナーが駆け寄り、足を伸ばしている場面を見ますが、実際どこまで伸ばせるのでしょうね。激しいトレーニングをしている選手だからこそ、筋肉の収縮を無理にでも伸ばすこと出来るのでしょう。
痛みがおさまったらお湯をかけて温める
自宅では、足がつったときの対処法があります。
- じっと足がつったときの痛みが治まるのを、ただひたすら我慢して待つ(痛いときは何も出来ません)
- 痛みが治まり歩けるようになったら、お風呂場に行きできる限り熱いお湯をシャワーで患部に当てる。このように、お湯で筋肉を温めますと早く筋肉がゆるんで解消されます。これが一番良いと思います。
実際、患者さんがこの方法を試してみたら直ぐに良くなったと報告を受けています。是非、覚えておいて下さい。
足がつると痛いですから、できるだけつらないようにしたいものです。そのための対策としてストレッチがおすすめできます。
予防するにはストレッチが有効
足がつる原因が筋肉の硬さにあるので、ストレッチをして筋肉を柔らかくすれば足がつることは少なくなるはずです。
足がつる方は、下肢全体の筋肉が硬くなっていますので、太ももの表側と裏側。ふくらはぎ、脛の横外側(前脛骨筋)で足先を上に持ち上げる筋肉などを伸ばしてください。
筋肉を温めてからストレッチをするとより効果的
また、お風呂に入った時に湯船の中で足首を回してください。回す側の足の指の間を反対側の手の指で、握手をするように握って回してください。ストレッチは入浴後で筋肉が温まっているときにすると、なお効果的です。
ストレッチでは間違ったやり方をしている方が多いです。是非、当院のブログを参考にしてください。
栄養が足りない?
ネットを見ると、マグネシウムなどをよく摂るようにすすめている記事を見ますが、特定のものを多く食べたから足のつりが解消されるほど、現代では栄養が不足している人はいないのではないかと思っています。
日本人の食事摂取基準(2020年版)の中の多量ミネラルにはマグネシウムについて書かれています。それを読んでも、マグネシウム欠乏が考えられることは稀であるとありますので、あまり神経質にならなくてもよいと思っています。
もちろん、競技などで身体を酷使している人でなく、一般人の場合です。
もみほぐす治療とストレッチも指導しています
当院では、「寝ていて足がつる」患者さんが来られたら、じっくり硬くなっている筋肉をもみほぐします。また、冷えている患者さんが多いので冷えの解消のために簡単なストレッチを治療後に指導させていただきます。
足がつってお困りの方は、治療院よしぐちまでご相談ください。
ご連絡をお待ちしています。
自由が丘駅南口徒歩3分 奥沢駅徒歩5分の整体治療院です。