ひどいぎっくり腰は筋肉をほぐしません
当院では、ひどいぎっくり腰の患者さんは筋肉をほぐしません。筋肉をほぐすと動けなくなることがあるからです。まず、アイシングをして患部を冷やします。さらに、按腹をします。お腹をマッサージするのです。そして、さらしを巻いて固定してあげて、一度帰っていただきます。痛みの程度が少しよくなったら、本格的な治療を始めます。
ひどいぎっくり腰は筋肉をほぐしません
今年は梅雨が早く明けて、ひどく暑い日が続きました。冷房で身体が冷えて筋肉が硬くなったせいか、ぎっくり腰の患者さんが続いています。痛みの程度はまちまちで、個人差が大きいです。
ところで、当院では、ひどいぎっくり腰の患者さんが来られたら、腰につながる筋肉をほぐしません。
「えっ、治療してくれないの?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。もちろん、そんなことはありません。
ひどいぎっくり腰の患者さんが来られたら、まず、アイシングをして徹底的に冷やします。アイシングについては、スポーツのケガはすぐにアイシングをという記事で詳しく説明しました。炎症を鎮めるためです。
さらに、按腹をします。お腹をマッサージするのです。そして、さらしを巻いて固定してあげて、一度帰っていただきます。
痛みの程度が少しよくなったら、来院していただいて、治療を再開します。
これが当院のひどいぎっくり腰の患者さんへの治療方針なのですが、このようになるまでに、いくつもの試行錯誤がありました。
筋肉をほぐすと動けなくなることがある
ひどいぎっくり腰の患者さんは、うっかり筋肉をほぐすと動けなくなることがあるのです。
ぎっくり腰の痛みの程度はまちまちなのですが、ひどいぎっくり腰の患者さんは、来院された時の姿勢でわかります。
ひどいぎっくり腰の方は独特の姿勢になる
ひどいぎっくり腰の方は、真っ直ぐに立てません。
痛みから逃れるために、痛くないほうに身体を傾けて立つので、真っ直ぐに立てず独特な姿勢をとります。その姿勢を見ればぎっくり腰の程度がわかります。歩くのも容易ではありません。
患者さんは痛みがひどく、何しろ早く治したいので、とりあえず治療院に行って診てもらえばすぐによくなるだろうと希望をもって来院されます。
しかし、ぎっくり腰は、筋・筋膜性腰痛といって筋肉・筋膜の損傷なので、すぐに痛みが取れることはありません。
私も、患者さんを早く楽にしてあげたいと思って筋肉をほぐすことを考えていた時期もありましたが、患者さんが動けなくなるのは困ります。
ぎっくり腰の治療が変わるきっかけがありました
開業して25年以上経ちますが、当院にはぎっくり腰の症例は数多くあります。
ひどいぎっくり腰の場合、マッサージをして筋肉をゆるめてしまうと、例外なくベッドから起き上がれなくなってしまうのです。
腰に強い痛みがある場合、筋肉が緊張して身体を支えています。筋肉をゆるめてこの緊張を取り除いてしまうと、力が入らなくなり起き上がれなくなるのです。
これでは、楽になりたいと来ていただいたのに、本末転倒になってしまいます。なんのために当院に来てもらったかわからくなってしまうという葛藤が私にはありました。
スタッフと何度も話し合い、ひどいぎっくり腰の患者さんが来たら、急いで筋肉をほぐさずに少しの間患者さんの自然治癒力に任せ、少し状態がよくなったところで、本格的な治療を開始することにしました。
いつも40代の男性Aさんのことを思い出します
ひどいぎっくり腰の治療というと、いつもAさんのことを思い出します。Aさんは40代の男性です。
ある日、ぎっくり腰を治療してほしいと電話がありました。お話をうかがいながら、ふと外を見ると工事現場の壁に寄りかかり電話をしている男性が見えます。ご本人でした。当院のそばまで来て電話してきたのです。
Aさんはぎっくり腰になり、スマホで「自由が丘+ぎっくり腰」と検索して他の治療院に行ったそうですが、あまりにひどい症状で治療ができないと断られたそうです。
きっかけは、重たい荷物を持ち上げたときに痛みが出て、そのまま放置しているうちに痛みがだんだん強くなってきたと話をしてくれました。
自由が丘の駅で途方にくれ、何とかしなければ仕事もできない。Aさんは何度もぎっくり腰を経験しています。再検索して駅から最短の治療院を探し、痛みに耐えながらやっと当院の前まで来て連絡をくれました。
しかし、ぎっくり腰は重症です。このまま、ベッドに寝てもらい筋肉をゆるめてしまうと起き上がれなくなるだろうことは、容易に想像がつきます。
仰向けに寝ていただいて、腰の下にアイスパックを置き、お腹の中の筋肉(大腰筋)をゆるめます。これ以上の治療はできません。十分に大腰筋をゆるめて、さらしを腰から脇の下まで巻いて治療を終了します。
今の状態では、筋肉をゆるめると痛みが増してしまうことと、ゆるめても痛みは変わらないことを説明させていただいて、もう少し痛みが緩和するまで安静にしていただき、少し落ち着いたら再来院してくれるようにお願いしました。
痛みの治療の一番の近道は、傷めた場所にいかに負担をかけないかで決まります。ぎっくり腰の場合、さらしを巻くことでこの問題をクリアできます。
その結果、3回治療をした後、1週間くらいで何とか仕事に復帰できるようになりました。
大腰筋をゆるめる
お腹の奥に大腰筋という筋肉があります。骨盤の動きに関与して、大腰筋は主として股関節を曲げて足を持ち上げる動作で働き、姿勢保持に欠かせない筋肉です。
腰痛を起こした患者さんは、必ず、この大腰筋が縮んで硬くこわばっていますので、こわばりを取るようにお腹をマッサージをしていきます。
軽い腰痛でしたら、按腹だけで痛みが解消されることもあります。
腰とお腹、場所は表と裏ほど違うのですが、腰痛治療には欠かせない場所です。
ぎっくり腰の程度によってはすぐに筋肉をほぐします
当院では、腰痛の患者さんが多く来院されます。ぎっくり腰の患者さんが来院されたときに、すべての患者さんがアイシングと按腹だけで帰っていただくわけではありません。
今まで書いてきたのは「ひどいぎっくり腰」の患者さんの話です。
ぎっくり腰は程度に個人差があり、重症でない方もいらっしゃいます。その場合は、すぐに腰につながる筋肉をゆるめるようにします。もちろん、その方が回復が早いからです。
いままでいくつかぎっくり腰について記事を書いています。その中には一度の治療でよくなった方もいます。本当に個人差があります。
ぎっくり腰になったらまずお電話下さい
ぎっくり腰になって、当院のサイトを見つけられたら、まず、お電話を下さい。営業時間中ならいつでも出られます。
痛みの程度をおうかがいし、来院されるまでの応急処置をアドバイスさせていただきます。
来院していただいて、姿勢、歩き方、身体に触ればぎっくり腰の程度がわかります。ひどければ筋肉をほぐしません。ひどくなければ今まで通りの治療をします。どちらにしても患者さんができるだけ早くよくなることを考えています。安心してお電話を下さい
腰痛、ぎっくり腰でお悩みの方、治療院よしぐちまでご相談ください。連絡お待ちしています。
自由が丘駅南口徒歩3分 奥沢駅徒歩5分の整体治療院です。