熱と咳で寝込んだ後、ぎっくり腰になってなかなか治らない

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風邪で発熱すると仙腸関節あたりが痛むことがあります。熱が下がっても咳が残っている時は注意が必要です。何日も寝込むと仙腸関節が歪む場合があり、痛みがひどくなることがあります。そこで、無防備に咳をすると大腰筋が収縮してぎっくり腰になることがあります。ひどい咳で筋肉が受けた衝撃は強く、治療が長引く場合があります。

寝込んだ後、咳をするときはぎっくり腰に注意して

気温の低い日が続きます。来院されている方達からも風邪を引いてしまったと報告を受けることが多くなってきました。

風邪を引いて発熱し、1~2日寝ているのはよいのですが、それ以上寝込むと背中と腰の筋肉が硬くなり、身体が痛くなります。

咳が出ている時は気をつけて下さい。何気なくする咳ですが、筋肉には大きな負担をかけています。ひどい咳が残った方は特に気をつけてください。無防備な状態で咳をしたショックで、ぎっくり腰になることがあります。

この記事では、そんな事例をご紹介しましょう。

ぎっくり腰の患者さんが来院

60代男性の患者さんが来院されました。風邪を引いて寝込んだ後に、咳をしてぎっくり腰になりました。

皆さんも経験はありませんか?熱の出始めに仙骨がムズムズとうずく感覚。下の写真を見てください。黄色い線で囲ってあるのが仙骨です。

強さは人によると思います。来院された方も熱はそれほど上がりませんでしたが、仙腸関節周囲にうずくような痛みがあり、夜も寝られなくなったそうです。

間が悪く風邪を引いたのが暮れの29日で、それから寝込むこと5日間。文字通りの寝正月を過ごされたそうです。

患者さんの話を聞いていくと、仙腸関節周囲の痛みは、最初の1~2日は熱のせいだったのでしょうが、その後は、咳がずっと続いたせいで骨盤自体を歪ませた結果の痛みだったようです。

仙腸関節を歪ませると、何とも嫌な奥のほうの重だるさとズキズキとするような痛みがあり、じっとしていることが辛くなります。

直立したまま咳をしたらぎっくり腰

正月休みが終わっても、咳が続いたそうですが、何とか熱も下がり、日常生活ができるようになりました。仕事が始まり、ある時、直立したまま咳をしたそうです。その瞬間に背骨の下の方に強い痛みを感じ「あっ、やってしまった」となりました。ぎっくり腰です。激しい痛みに襲われました。

そろりと身体を起こしますが、痛みで膝を曲げていないと立っていられません。膝を伸ばすと、背筋が伸びるからです。

しかし、翌日になると痛みは軽くなり、少し安心して油断したのか、また立ったまま咳をしてしまい、同じ場所を痛めてしまいました。しかも、今度は昨日より痛みが強くなっていました。2日続けてのぎっくり腰で当院を探して来られました。

痛みの出ている部位から離れたところからゆるめる

来院されて、ベッドにうつぶせに寝ることはできましたが、うつぶせに寝るだけでも、腰、お腹の中と痛みがあります。筋肉が縮んでいますので引っ張られ、お腹の中はつれるような痛みが出ていました。お腹の中の筋肉、大腰筋が収縮をおこしているのです。

弱い力で背中の軽擦から始めましたが、痛めた腰の周囲の両側の筋肉が極度に緊張して軽く押すだけでも痛みがあり、身体がこわばります。

痛みがひどい間はマッサージは短時間で切り上げる

筋肉の緊張が強いので、緊張を取り除くためにマッサージしていきます。弱い力で、痛みの出ている部位から離れたところから、筋肉のゆるみを手に感じながらマッサージしていきます。

痛みから早く解放されたいので、患者さんはマッサージを長めにしてもらいたいと思われるのですが、これは逆効果です。

うつぶせに寝ている間は、重力がかからないので痛みが少ないのですが、うつぶせの姿勢の時間が長いと、それが患部に負担をかけてしまいます。治療後、起き上がるときに重力が身体にかかり、痛みでベッドから起き上がることが難しくなるのです。そのため、なるべく短い時間で治療を終える必要があります。

麵をすすり込むのにも大腰筋を使っている

患者さんの話を聞いていて、大腰筋が働いていることが分かります。

患者さんは、麺類をすすりこむときにも痛みが出たといいます。ちょっと麵をすすりこむ真似をしてみてください。麺類をすすりこむ(息を吸う)動作のときにはお腹はでっぱりません。肺が膨らみ横隔膜が下がり腹筋が縮み、お腹は引っ込みます。普段何気なくやっていることが、こんなにもお腹の筋肉(大腰筋)を使っているんだなとわかります。

今回のぎっくり腰は、2回連続で筋肉を傷めたことで、腰部だけではなく、大腰筋、骨盤の周りの筋肉にまで痛みが広がっていました。

治療としては、ひたすらマッサージで筋肉をゆるめていき、自然治癒力の力を借り回復を待つことを伝えて、納得してもらいました。

1ヵ月経ってもなかなか痛みが取れない

今までのぎっくり腰の症例では、だいたい1週間くらいで快方に向かっていきます。しかし、今回は、思ったように痛みがとれない症例になりました。ぎっくり腰になってからそろそろ1か月になりますが、まだ腰の奥に痛みがあり、完全に治っていません。

長引く理由としては、筋肉が受けた衝撃があまりにも強く、かなり強いダメージを受けたからだと思います。

もちろん、当初に比べれば痛みは減少していますが、患者さんの筋肉の奥に硬さが残っています。夜、ベッドに入り仰向けになると、痛みが出るそうです。身体が伸びると、縮んでいるお腹の中の筋肉が伸ばされるせいでしょう。

しかし、しばらくその体制でいるとゆっくり筋肉が伸びて痛みはなくなるそうです。毎日がその繰り返しだと言っていました。やはり日頃からストレッチなどで身体のケアをしていくことが大切だと思います。

患者さんにもそのようにお話しました。まだ、しばらく通っていただきます。

身体と相談しながらまず安静にしてください

ぎっくり腰を起こしてしまったら、まずは安静にしてください。

ぎっくり腰になった直後は、ともかく冷やす必要があります。その後は痛みと相談しながらお風呂に入って温まってもらった方がよいのですが。

この患者さんの場合は、お風呂に入ると、もちろん、全身が温まるのでその時は楽になります。しかし、風呂上がりに時間が経過して身体が冷えて来ると、患部だけズキズキと痛みが強くなるといいます。まだ炎症が残っているので血流がよくなったせいで余計痛むのでしょう。

また、車で通勤しているそうで、シートにヒータが付いていて背中とお尻が温まり、通勤時は身体が楽だと聞きました。このブログをアップする頃には治っていることを願っております。

風邪を引くと安静に寝ているしかありません。しかし、ずっと寝ていると背中と腰の筋肉が硬くなります。咳が出ている方は、特に気をつけて下さいね。

ぎっくり腰については、以前書いた記事ぎっくり腰をまずお読み下さい。

うっかり、ぎっくり腰になったら、治療院よしぐちまで連絡ご相談ください。お待ちしています。自由が丘駅南口から徒歩3分、奥沢駅から徒歩5分の整体治療院です。

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