足底筋膜炎

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お年寄りの患者さんが「朝起きて、足を着くとかかとが痛い」と来院されました。足底筋膜炎でした。足底筋膜炎はランナーに多いと知られています。足底筋膜炎は足底腱膜に亀裂が入って炎症が起きて痛みます。原因はランニングのやり過ぎなどの他、足裏に負担をかけていることが考えられます。お年寄りの場合、筋力低下が原因です。治療は、すねの筋肉とふくらはぎの筋肉をゆるめ、そこにつながる筋肉も全部ゆるめることを繰り返します。当院では、ストレッチやテーピングもお教えしています。

運動を全くしない人も足底筋膜炎になることがある

もうすぐ70歳になる女性のHさんです。ある日、来院時に「朝起きて、最初の一歩を踏み出した時にかかとが痛い」と踵(かかと)の痛みを訴えました。この方は当院に30年通って下さる患者さんです。

かかとが痛む場合、骨盤の歪みが原因になっていることが多いです。検査をしてみると、やはり骨盤の歪みがありました。マッサージで身体をゆるめてから骨盤調整をしました。これで痛みが消えれば、原因は骨盤の歪みです。

ところが、次の来院時、痛みは消えていませんでした。

念のため、整形外科を受診してもらうと、かかと付近に骨棘(こつきょく)ができていることがわかりました。それが痛みの原因でした。つまり、この患者さんは、足底筋膜炎になり、それが慢性化していたため、骨棘ができ、それで痛みが出ていたのです。

Hさんの場合、骨棘ができていたので治るまでに長い時間(1年以上)がかかりました。足底筋膜炎だけでしたら、1ヶ月かからないで良くなっていたのではないかと思います。

足底筋膜炎は、アスリートのように激しく身体を使っている人がなると思われているのですが、全く運動をしない高齢者もなることがあります。まず、それを知って下さい。

では、足底筋膜炎とはどんなものか説明していきます。

足底筋膜炎とは

足底筋膜炎とは、足の踵骨(しょうこつ)の土踏まず側から指の付け根の骨にかけて扇状に伸びている足底腱膜に亀裂が入り炎症をおこしている状態です。

そのため、足底腱膜炎とも足底筋膜炎ともいわれますが、当院では、昔から一般的に使われている病名なので、今のところ足底筋膜炎と呼んでいます。

足底腱膜に亀裂が入って炎症が起きる

足底筋膜炎は、一般的にランナーに多く見られ、目が覚めて最初の一歩が足の裏のかかとや土踏まずあたりに痛みを感じるのがわかりやすい特徴です。

下図で、足指と踵骨をつないでいる薄い水色の部分は腱(けん)といいます。

「炎症の起きやすい場所」と図示しましたが、踵の骨の近くの腱に亀裂が入り、炎症が起きて痛みが生じます。痛みは土踏まずからかかと付近にかけて出ます。

別な図を用意しました。足の裏を正面から見た図です。

それぞれの足の指から出ている白い筋が腱です。それが5本まとまってかかとの筋肉につながっていますが、これら扇状にまとまった腱のことを足底腱膜といいます。

上の図と下の図を見比べて、「ああ、あの辺が痛むんだな」とわかっていただければよいです。

衝撃が足底腱膜に継続的に加わることが原因

さて、この図を見ながら、毎日熱心に走るランナーのことを考えてみましょう。

走っている時は、足が着地するたびに、足裏には自分の体重と地面からの衝撃が伝わります。これは足裏にはかなりの負担になります。そのため、足の骨格は前後・左右にアーチ状になっていて、着地した際の衝撃を逃がすようにできています。

足底腱膜は、見ておわかりになる通り、骨格のアーチ状の構造を補強し、土踏まずを形成するものです。

ところが、毎日熱心に走っていると、足底腱膜には着地するたびに衝撃が伝わり続けます。足の裏をハンマーで叩き続けているようなものです。

それを繰り返すうち、限界を超えると、アーチ状の構造が維持できなくなり、足底腱膜と踵骨(かかとの骨)がつながっている部分に亀裂が入り炎症が起きてしまいます。

足底筋膜炎の痛みの特徴

足底筋膜炎の痛みは、わかりやすい特徴があります。

  • 起床時の最初の一歩が痛い。
  • 座っていて急に歩き出すと痛い。
  • 歩行時、踵や足底が地面に着地したときに痛い。
  • 腰の痛みは伴わない

痛みの初期には安静にしていると痛みは良くなっても、トレーニングを再開すると繰り返すことが多いといわれています。痛みを放置していると、やがて踵付近の骨に骨棘ができてくることがあります。

このような症状が出ている方は足底筋膜炎の疑いがあります。ただ、骨に異常がないかどうか調べた方が安心できます。まず、整形外科への受診をお勧めしています。

整形外科で足底筋膜炎と診断されましたら、当院では身体全体のバランスを整えて行きます。完治するまでの期間、痛みが少なく楽に日常生活が送れると思います。

骨棘(こつきょく)ができる場合がある

足底筋膜炎を治療せずに放っておくと、一番最初に紹介したHさん(患者さん)のように、骨棘ができる場合があります。

足底腱膜症にはこのように書かれています。

踵骨棘(しょうこつきょく)は、かかとの骨(踵骨[しょうこつ])から余分なとがった骨が増殖したものです。かかとの骨の下側から指の付け根まで伸びている結合組織である足底腱膜が、かかとの骨を過度に引っ張ると、骨棘ができることがあります。

通常は骨棘ができると痛みを伴いますが、足が順応するにつれて痛みが軽減することがあります。踵骨棘は、必ずしも症状を引き起こすわけではありません。症状が生じる場合は、ほとんどは手術をしなくても治療できます。

足底筋膜炎になる原因

足底筋膜炎になるのは、足裏の足底腱膜へ長時間負担をかけたことが原因です。ランニングなどスポーツがわかりやすいですが、それ以外にもいろいろな原因があります。

足の裏にかかる負担が大きいスポーツ(ランニングなど)のやり過ぎ

一番わかりやすいのは、ランニング、マラソンです。長時間走り続けると繰り返し衝撃を足裏に与えることになります。舗装道路を走ることになるので足裏が受ける衝撃は大きいです。その他、サッカー(フットサル)、テニスなども長時間走り回るスポーツなので、足裏の足底腱膜にかかる負担は大きいです。

長時間の立ち仕事

普段座って仕事をしている方がたまに1日立ち仕事をすると、夕方、とても足裏が疲れているのがわかります。立ち仕事は足裏への負担が大きいです。毎日長時間立ち仕事をしている方は慣れているとはいえ、足底腱膜へ負担をかけています。

靴が合わない

サイズが合わない大きすぎる靴を履くと、靴の中で足が動くので無意識にそれを止める動きをしながら歩きますが、足裏にかなり負担がかかります。靴底が薄くクッションのきかない靴も足裏の足底腱膜に負担をかけます。

扁平足になっている方

扁平足の方は、足裏のアーチがありません。そのため、歩いている時に、足裏にかかる自分の体重や地面からの反発をうまく逃がすことができないので、足裏に負担をかけます。肥満しているとその負担が増えます。

扁平足

お年寄りの筋力低下

記事冒頭で、当院の患者さん(Hさん)の話を書いたので、少し詳しく説明します。

まず、お年寄りは運動量が減るので筋肉量も減り、筋肉が硬くなりやすいものです。そして、転ばないように気をつけるようになるので、すり足で歩くようになります。やってみるとわかりますが、すり足で歩く時、ふくらはぎの筋肉をほとんど使いません。ふくらはぎの筋肉はかかととつながっていて、足底腱膜とも連動して動きます。普通に歩いてみると、足裏を着いてからふくらはぎの筋肉が収縮するのがわかります。

ふくらはぎの筋肉を使わなくなると、ふくらはぎの筋肉はやがて硬く柔軟性がなくなります。このような筋肉は疲労しやすくなり、疲労して縮んでしまうと足底腱膜を引っ張るようになります。こうして足底腱膜に負担がかかるようになり、傷ついて炎症を起こしたのがHさんの事例です。

足底筋膜炎の治療

整形外科での治療の中にはリハビリやマッサージがありますが、保険制度の関係で、1回に受けるマッサージには時間制限があります。

私たちは、筋肉をマッサージし、ゆるめることが仕事です。足底筋膜炎になった患者さんが来院されたら、たっぷり時間をかけて足底筋膜につながる硬くなった筋肉をゆるめ、その筋肉につながる筋肉もゆるめます。

すねの骨の外側にある筋肉とふくらはぎの筋肉をゆるめ、そこにつながる筋肉も全部ゆるめます

足底筋膜炎になった方は、必ず前脛骨筋ととふくらはぎと足裏が硬くなっています。

前脛骨筋とは、弁慶の泣き所と言われる脛(すね)の骨、向う脛(むこうずね)骨の外側にぷっくりしている筋肉です。さわってみるとわかります。この筋肉は歩く時に、つま先を上げる動きに使われます。膝の下から斜めに脛(すね)の上を通り足の裏、土踏まずのところについています。

前脛骨筋ととふくらはぎの筋肉が硬くなっているということは、当然、そこにつながる臀部、腰、背中の筋肉も巻き込んでいきますので関連する筋肉すべて、お尻の筋肉の大殿筋、中殿筋、梨状筋、太ももの横の腸脛靭帯をマッサージとストレッチでよくゆるめます。

太ももの横の腸脛靭帯は上から押圧すると悲鳴があがるくらい、硬くなっている方もいます。

足底腱膜が痛んでいる間は、これらの筋肉が硬くなっているので、毎回、ゆるめることを繰り返します。

私も長時間、山歩きをして下山すると脛の横の筋肉とふくらはぎの筋肉がパンパンになり足の裏が硬く痛くなって登山靴をすぐに脱ぎ捨て、足底に刺激を入れたくなります。当然、翌日は筋肉痛で階段の昇降もままならい時もあります。それだけここの筋肉は、激しい運動では酷使されます。

そして、それ以外にご自分で家庭でもできるストレッチと、テーピング、足底アーチを作るための運動を指導させていただきます。

階段を利用したふくらはぎのストレッチ

下肢(ふくらはぎ)の中間層にある筋肉は、足の親指を除いた4本の指に着いています。下肢(ふくらはぎ)の筋肉が硬くなりますと、当然引っ張られて足底腱膜の柔軟性が失われます。

ふくらはぎのストレッチは、炎症によって硬くなった足底腱膜の柔軟性を回復させていきます。

写真は階段を使ってのストレッチですが、電車通勤をされている方は、駅のエスカレーターを利用して同じストレッチができます。お忙しいと思いますが、通勤時間を活用利用して、ながらストレッチをしてください。左右のふくらはぎをしっかり伸ばします。

筋力を補う足裏のテーピング

足底筋膜炎になっている方は、足裏のアーチが崩れていますので補強のため足裏にテーピングをします。テーピングをすると、痛みが和らぎます。

もちろん、家庭でもテーピングができるようにお教えします。

足底アーチを作る運動 タオルギャザー

もう一つ、足底アーチを作る運動があります。タオルギャザーと呼ばれています。足の下にタオルを置き、足の指でタオルをたぐり寄せます。やってみるとわかりますが、歩く時と反対に足の裏がたわんで足のアーチ部分に刺激があります。

その他、足底にかかる負担を減らすため、靴の中に敷くインソールやサポーターも有効です。このあたりはご相談下さい。

少し似たような症状ですが、くるぶし・かかとの痛みの場合という記事も書いています。

足底筋膜炎でお悩みの方、治療院よしぐちまでご相談ください。ご連絡お待ちしています。

自由が丘駅南口徒歩3分 奥沢駅徒歩5分の整体治療院です。

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